BATTLESHIP‘MIKASA’



2007年の正月休みを利用して司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読み、(三笠が作りたい)と思ったのがそもそもの始まり。
ガムのオマケみたいなので300円くらいのキットないかなと思い、探してみると普通に流通しているものとしてはハセガワ1/350とこのシールズモデル1/700の2つしかない。
ミニスケ好きとしては当然1/700でしょ、とシールズを買ってきたまではよかったが眺めているうちにいつものビョーキが出て、 オトナの遊びと称して3次元CAD使うわ切削マシン買うわで艦底を自作してしまった。
その辺のいきさつは当時のBBSに残っているので(流れが遅いので当分残ってると思う 苦笑)興味がある方はそちらを参照していただくとして、どうしてもフルハルモデルを作りたかったのであります。

私のような門外漢から見ると明治期のWLモデルはどれも笹の葉っぱが浮かんでいるようで太平洋戦争時の艦に比べて形に華がない。
やはり上部の建築的な構造美と艦底の女性的な曲線美が一体となって初めて艦船の造形を鑑賞できるというもの。
特にこの時代の戦艦は先端に鋭い衝角(ラム)を備えており、これがかっこいい。
これで敵艦に体当たりしてどてっ腹に穴を開けようという原始的な武器で、(映画「ベン・ハー」にもそういうシーンがあります)古来戦艦には伝統的に備わっていたものですが、 近代戦では戦艦による肉薄攻撃の機会はなく、味方艦同士の接触のリスクもあり、後に日本海軍が世界に先駆けて全廃することになります。
(実際日露戦争中、巡洋艦春日が吉野に衝突して沈めてしまうという事故を起こしている)

話がそれました。
艦船模型をちゃんと作るのは初めてなので、完成させることを目標にキット部分は基本の工作と艦橋周りを中心に軽くディテールアップした他は基本的に素組です。
インストの日本海海戦時に準じていますが、正確な仕様ではありません。
考証にこだわりだすキリがないのでほどほどでいいと思います。
いつもより高解像度の写真にしておりますので具体的な工作は画像を参照してくださいませ。
こうして見ると艦尾スタンウォークの手すりだけは自作した方がよかったか。

フルハルを作りたかったらハセガワ1/350にすれば何の苦労もないのですが、記念艦三笠に見学に行ったり船の科学館に行ったりして歴史を紐解きながら資料を集めるのも楽しい作業でした。
NHKのドラマ化で一般の認知度も上がったことだし明治期の艦船模型にもっと脚光が当たってほしいですね。

(2010/1)


※艦底/台座は自作したものでキットには含まれません