カバヤ ビッグワン・ガム 戦艦大和 製作記



食玩ブーム最盛期だった3年くらい前に再販されたカバヤ ビッグワンガムの戦艦大和をネタに 宇宙戦艦ヤマト発進前のビネットを作ってみる。

アニメの放送は1974年。
当時(小学生)から沈没した戦艦大和を宇宙戦艦に改造するのはムリあるよな〜 新造した方が簡単なんじゃないの?と思っておりました。
オトナになった今はそんなヤボはいいません。
突っ込みどころ満載な科学考証含めガンダムの数倍楽しめる?愛すべき作品です。

アニメ制作当時は大和の正確な沈没位置は分っておらず、かなり大胆な設定もできたのですが、 80年代になってから調査が進みアニメとは程遠い状態であることが判明しました。
なので戦艦大和の素組みとはいえ、これは間違いなく「あの世界の」宇宙戦艦ヤマトなのです。(笑)


大和自体はあんまり思い入れもないし(ェ)、 工作が難しいPP(ポリプロピレン)製ということもあって全くの素組み。
ただし、飛行機がくっついたカタパルトはさすがに違和感があったので基部ごと削除しました。

ビネットのベースになる箱をプラ板で作って半分の深さまで軽量紙粘土を敷き、大和を固定します。
紙粘土は後で使うモデリングペーストの量を節約する意味もあります。

組み立てにはPPが接着できるという魔法の接着剤コニシボンドの「GPクリアー」を使用。
プライマーを使用するタイプの瞬着は以前からありましたが溶剤系ではこれが多分唯一の接着剤ではないでしょうか。

押しピンあとや隙間の処理にはパテにGPクリアーを混ぜ込んだものを詰める。
塗装のプライマーとしてGPクリアーをペンキ用シンナーでゆるく溶いたものを筆でたっぷりと塗りつけ。
とにかくPPに食いつくのはこれしかないので、何にでも混ぜる。
とはいえ、スチロールのように溶けるわけではないので引っ掻いたりするのは禁物です。

この状態で表面がべとつかなくなるまで1週間乾燥させます。

箱の上縁までリキテックスのモデリングペーストを盛り付ける。
モデリングペーストを厚く盛るのは乾燥による自然なひび割れができるのを期待してのことですが、 どこがどのくらいひび割れるのかできてみないと分らない。

筆でクレーターらしき凸凹をつけ石膏の粉を適当に撒いた後、霧吹きでなじませる。
直に霧吹きを向けると粉が飛んでしまうので上空から霧雨を降らせるような感じで。
クレーターのパターンがやや単調になってしまいましたが、直すのも面倒なのでそのままです^^;

ここでまた1週間乾燥。

ひび割れはもう少し派手にできて欲しかったんだけど、まあまあな感じ。

塗装はタミヤアクリルのフラットオレンジを適当にベタベタと塗ってから油彩の茶色で軽くスミ入れ。
赤と青の混合比を変えた数種類の紫でフィルター処理と錆びダレを描き込み。
アニメっぽい雰囲気を出すために彩度の高い色を採用してます。
乾燥してからオレンジ→純黄まで3段階くらいでドライブラシして仕上げ。

タミヤアクリルでドライブラシするときは溶剤にクレオスのラッカー用を使用すると、グッと使いやすくなります。

額縁はホームセンターで買ってきた角材のコバを45°にカットして古くてドロドロになった 瞬着で接着。
(新しい瞬着しか持ってない人は木工用を買いましょう・笑)

ミニ鉋で面取りをして水性のオイルステイン(ウォーターステイン?)を塗って完成。
かっこいいネームプレートが欲しいところですが、面倒くさくていつもつけてません。


プラモデルのオマケって何かワクワクしますよねえ〜大好き。
お手軽を至上とする消費経済を反映してか今の食玩は完成品オンリーで寂しいですね。
下火になってしまったWTMも完成品だけでなく、価格差をつけてキット形態との 2本立てにしていたらまた違った展開になってたと思うのは私だけでしょうか。

食玩ブームに乗ってこういう昔のキットが再販されるようになったのはうれしい限りですが、 できれば現代の成型技術と考証で設計された新世代キット食玩が出て欲しい。
コストは安くできるし、プラモ人口の増加にも寄与すると思うんですけどね〜売れないかな、やっぱり。
私は全種類買いますよ、ホント。

(2006,4)


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