六角大王を使った写真分析




段模型雑誌はほとんど買わなのですが、資料本は結構買ってます。
その時買う買わないの基準となるのがプロポーション重視の私としては、図面が載っているかどうかですね。
旧ニットー製品などプロポーションのデタラメなキットを修正するとき、やはり図面が一番たよりになる。
が、資料本に載っている図面というのは親切ではありませんな。
最大の問題はシャーシの断面形が分らないこと。
側面図は大抵左側面だけだしシャーシの基本形状が転輪やフェンダーに隠れてしまっている。
例えば


ここの角度が分らない。

これがスクラッチをするときなど、実に困るのです。

近無料CGソフトをいろいろ探していたら気になるソフトがありました。
それが今回紹介する「六角大王フリー版」です。

3DCGというのは仮想の3次元空間内に立体を構築するもので普通の絵と違って360度どの方向からでも見ることができる。
しかしそれを見るのはモニターという2次元的な媒体を通じてです。
この六角大王というソフトの面白いのは普通とは逆にモニターに2次元的な絵を描くと奥行きを自動計算し立体を作ってくれるところです。
そのかわり左右対称のものしか造形できないという制約がありますが。

この機能を利用して写真から立体を造形できないかな、と思ったわけです。
ということで早速インストールして実験してみました。



ず下準備として写真をスキャナで読み込んで、その上からドロー系のソフトで求める面の輪郭とパース(遠近法)の基準になる線(ピンク色の線)を描きこんでおくと後の作業がやりやすくなります。
その画をBMP形式で保存して六角大王に下絵として取りこみ、グリッドという立方体(緑色の線)を写真のパースに合うように配置します。
この作業はちょっと馴れが必要ですが、このグリッドの配置によって精度が左右されますので納得いくまで向きやパースの程度を調整します。
後は線ツールで三角形か四角形になるように輪郭をなぞって線を描きます。


グリッドを回転させると面が張れました!

かしこの方法の信頼性はどうなのか?
3枚の違うアングルの写真でやってみたところ次のような結果でした。



六角大王に計測機能はないので別のソフトにインポートして測ったものですが。
グリッドの配置も線のトレースも見た目の感覚ですからこれくらいバラつくのはやむを得ないでしょう。
これじゃ使い物にならないだろうって?
いやいや、少なくとも見た目にはそれっぽくできるわけで、見た目に明らかにおかしいメーカーの設計よりマシじゃないでしょうか。
操作に習熟すればもうちょっとバラつきを少なくできるでしょうし。

うやって得られた結果をどうやって活用するかですが。
一番簡単なのは真横を向かせた状態でスクリーンキャプチャし、「ペイント」などの画像編集ソフトで開いてプリントアウト、それを型紙として利用するなんて方法が考えられます。

また六角大王の面データはDXF形式で吐き出すことができるので、(ツールと時間があれば)他のCG/CADソフトに読み込んで利用することもできます。
↓ここまでやるのは単なる物好きですが3次元データにしてしまえば断面をとるのも展開図をかくのも簡単にできます。



この成果は近日公開予定カモ?

(2006,11)