「007ゴールデンアイ」 (95英・米)

 先代ブロズナン=ボンドの登場編。これの封切り時は本当に盛り上がった!

 予告編で観たブロズナンのハードでクールなボンド振りには期待させるに充分な魅力を感じた。そして往年のお約束を守ったオープニングのド派手アクションも鮮烈でした。

 でもオレ的には何と言っても特筆すべきは何よりエリック・セラの音楽ですよ!
「グレート・ブルー」「二キータ」等リュック・ベッソン作品のあのカッコ良くエレクトリックで、それでいて切ない旋律が007でどんなふうに活かされるのか!

 オレはもうオープニングで♪ドンドコドンドン〜と突発したボンドのテーマでいっちゃってた(笑)
 なんと言う興奮! なんと言うワクワク感! ってエリック・セラ好きなオレの個人的な感動だけれど、セラの担当した007はこれだけだっただけに、今となってはブロズナンの1本目と言うよりは「エリック・セラのボンド」と言う印象なのだ。

 以後音楽を担当したデヴィッド・アーノルドはそのまんまジョン・バリーのバリエーションと言う感じで、時として陳腐な環境音楽を聞いてるみたいで嫌いです。
 かつてマービン・ハムリッシュとかポール・マッカートニーみたく、自分の個性を出しつつやっぱり007だというアレンジを聴かせて欲しいですよねぇ。

 本作はアクションシーンの音楽のアレンジもセラらしくユニークで何とも楽しいことでした。
 それに随所に流れるあの切ない旋律! ボンド映画でこんなに切ない旋律が流れたことは他にない。

 エンディングもいつもの007だとオープニングのテーマ曲がアレンジを変えて流れるんだけど、こ〜の作品のセラはまったく違うスローテンポで、セラ度100%の切ないメロディー。この透明感はどーですか!(そこまで放映されないかな……)。

 この作品のことをしゃべるとどうしても音楽のことばかり言ってしまう。内容的にはその後のボンド映画の流れとなるダイ・ハード的ド派手アクションと、結局は金目当てだった威勢だけ良い小物悪役なのでした……。



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