「007 スペクター」

 ガンバレルで始まるオープニング! だけでもおお〜遂にここまで戻って来たか! という感じだ。

 そして昔お約束だった「クライマックスの様な冒頭アクション」があってタイトル〜テーマソングですよ。

 なにしろ「カジノロワイアル」からノワール映画みたくなってたダニエルシリーズは段々軌道修正して来て、前作でもかなり歩み寄りが見られたのだけれど、今作はグ〜ッと原点返りしてきた感じだ。

 なにより著作権の問題で34年も出てこなかった宿敵ブロフェルドが登場することが物語っていますよね。演じるのはかのタランティーノ「イングロリアスバスターズ」でブレイクした芸達者なオーストリアの人。

 巨大な秘密基地へとニコやかにボンドを招待したり、おお〜コレぞブロフェルド! 悪役振りは大したものだけれど、今回新しくボンドと幼い頃に関係していたという設定は大きくドラマに関与していないので、蛇足だったのではないかと思いました。

 ボンドガールは最初に登場するモニカ・ベルッティはもうガールという感じではないけれど(失礼)初対面のボンド〜相手が事情を知っている〜抱かれる(笑)の一連の遣り取りはゾクゾクする程スリリングだ。

   そしてメインとなるお姉ちゃん、出てきた時からアレ? 誰だっけ〜どっかで見た……誰だっけ誰だっけ……と考えていたら〜中盤で思い出し「あっ!」て声を上げそうになった「アデル」ってフランス映画でレズりまくってたあのお姉ちゃんじゃないか!

 いずれにしても「ほぉ〜出世したもんだな」と思わせるのは、007にゃまだまだ権威を感じているからなんでしょうね。

 かつてのアストン・マーチンは助手席が吹っ飛んだけど、今回のは運転席からの脱出用でパラシュートで降りてきたり〜とオマケも楽しい。

 ここへ来てやっとダニエルが普通にボンドに見えてきた感じだ。それでも今ひとつ、かつての世界の広がりや胸一杯にロマンを感じたあのテイストが蘇らないのは〜ハードボイルドに振り切ったダニエル・クレイグのキャラによるところが大きいのではないかと思いますねぇ。


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