「12日間の魔法」

office PEACEMAKER(2004年9月23日中野スタジオあくとれ)

イケ好かないモテモテボーイの若造がある日魔法使いの手違いで魂だけが普段バカにしていたグズで のろまで風采の上がらない中年男の身体と入れ替わってしまい、元のモテモテボーイの身体に戻れるまでの12 日間をその中年男の立場で過ごすと言うのが大筋。でも物語は総勢13名の出演者のそれぞれに出演場面を作る必要 性からか、舞台となるバーの経営者や店員、その店で生バンド演奏をしながらプロデビューを目指す女の子三人組 等が様々なエピソードを繰り広げて行く。良く言えば皆に上手く出番を回して全体に良くまとめたと言うべきか、悪く 言えばそれぞれのエピソードがあまり有機的に結びついているとは言い難く、バラバラで散漫な印象を否めなかった。 ラストは大筋となる身体が入れ替わった二人の男が元の身体に戻るにおいて上手くオチが付いて大団円を迎えるのだ けれど、脚本としてはやはり身体の入れ替わった若造と中年男の件をもっと掘り下げて見せて欲しかったな。ちょっと イケ面でモテるからと言って良い気になってる若造がバカにしていた中年男の人生を垣間見ることによって人間的に 成長して行く・・・と言う物語は興味を惹くし、どう描いて行くのだろうと期待を持たせるのだけれど、話は前記の通り 様々な枝葉に分かれて散漫に展開し、肝心の大筋がおざなりになった感があって残念。ついでに言うと魔法使いの キャラもちょっときつかったかな。この office PEACEMAKER さんは劇団と言うより若手タレントのプロダクションと 言った趣旨なのか、出演者の中には舞台役者としては声にあまり張りの無い人が多々見受けられました。でもまだ皆さん 若いしタレントのタマゴ集団と言った感じなので、コレからもっと光ってくる方も出て来るかもしれませんね。



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