「GODZILLA ゴジラ」

 皆さん思ったでしょう? オレも全くそう思いましたよ、このストーリーは平成ガメラのパクリですよね。コレはもう盗作と言って良いくらいのレベルだった。

 だって〜それがゴジラなのかと思ってた卵から返った怪獣がゴジラじゃなくて、なんだか顔がギャオスに似てるな〜と思ってたらやっぱし翼広げて飛ぶんだもの。

 まぁそゆ意味じゃ昔からの日本の伝統である? 怪獣映画の面白テイストを踏襲している向きがあって楽しかったですけどねぇ、防御服を着て地底を探検していく様や。散々前説や期待を盛り上げておいて遂に出現〜て持って行き方とか上手くてニヤニヤしてた。

 ん〜でもオレとしちゃ今回はやっぱ単体のゴジラとアメリカ軍とのがっぷり四つに組んだ攻防戦が観たかったなぁ。古くは「バラン」や「VSビオランテ」みたいな。平成ガメラよりも平成ゴジラの第一作を踏襲して欲しかった。ここでのやたら核ミサイルを使って怪獣たちをおびき出して爆発させようという米軍の作戦行動はマヌケで失敗ばっかしなんだもの(笑)。

 そんでも前回のハリウッドゴジラに比べたら〜そりゃ造形も動きも東宝ゴジラをリアルにした感があって見モノでしたね。

 ゴジラの出番が少ないというのもむしろ出て来るシーンのありがたみ? が増して一生懸命見ちゃうし(笑)神秘性を醸し出してた。今回も口から放射能熱線は出さねぇのかなぁ……と思っていたら〜遂に背ビレが光り出してグワァーっと吐き出した時にゃ異様な興奮がありましたねぇ。んでも放射能熱線を吐いたのはそれと最期にムートーのメスを倒した時の2回だけという勿体ぶり。

 大口開けて咆哮したのも全編で3回だけじゃなかったかな、でもその描写がそれぞれキョーレツな迫力とインパクトで、今回の新ゴジラのキャラを表現していました。

 それとやっぱしゴジラを生んだ日本への敬意なのか、最初に怪獣に被害をもたらされるのが日本の原発だったり、第一作が公開された1954という年号がやたらと出てくる。でもそれは第一作でゴジラを誕生させる原因だったビキニ環礁での核実験が、実は既に存在を感知されていたゴジラを倒す為だったという理由付けだったり……。

 怪獣映画は人間ドラマをどう絡めるかがシナリオの難しさだと思うけど、本作は日本の原発で働いていた主人公の父親が怪獣の為に妻を失い、復讐の鬼となって原発会社が隠す真実を暴くことに執念を燃やしていき、その意志を継いだ息子が今度は自分の家族を守る為に怪獣たちと戦って行くという図式が良く出来ていた。
 主人公の母親役でジュリエット・ビノシュが出てるのにゃ驚きましたね。ポンヌフがゴジラかよ〜みたいな。

 渡辺の兼さんはせっかく芹沢博士って名前なのに〜終始周りでウロウロしながら説明するだけで、ゴジラを倒すのに決定的な働きをする訳でもないのが残念でした。それでも前作の失敗が功を奏したのか、オリジナルゴジラへのリスペクトは感じられた。

 だけど! やっぱしゴジラは核の脅威を体現しているのだというその一点は、日本人として譲れないもがありますやねぇ。


リストに戻る