「JFK」
こ〜の頃のオリバー・ストーンという監督には重量級の力量があって、
あまりの圧倒的な畳み掛けに観賞後はドッと疲労を感じた物です。
勿論それは「凄いモノを観せてくれた」という映画ならではの満足感なのだけれど。
そりゃ勿論「結論先にありき」でハナっからケネディ大統領の暗殺事件について、
真実は報道されているのとは違う! という仮説に乗っ取った展開であり、コレさえ
観れば観客もその仮説が真実であると信じるに足る感想を持つであろう……なのだけ
れど。いや〜それにしても良く出来ていますよ。
一見社会的な事件を扱ったドキュメンタリー的なコンセプトやし、もしかしてNHK
特集的な硬派? な作りなのかと思いきや「ナチュラル・ボーン・キラーズ」でも見
せた全編ミュージックビデオかと見紛うポプティカルでビビットな映像処理! ズン
ズーン! ドンドーン! と腹に響く音響効果の使い方! いや〜見せましたよ。
前出の「ナチュラル・ボーン・キラーズ」の時は原案のタランティーノが「好きな
様に変えやがった」と怒ったらしいですが、タランティーノの脚本に忠実に(?)ト
ニー・スコットが監督した「トゥルー・ロマンス」と比較するにつけ、やっぱしタラ
ンティーノよりストーン監督の方がずっと上手だったのではないかという印象を受け
ましたね。
かの「プラトーン」でセンセーショナルに出現し「サルバドル」や「天と地」等では
メガトン級の迫力を見せてくれたストーン監督。
余談ですが、監督作を全て観ている訳ではないけれど、後の「ワールド・トレード
・センター」のスカスカ感にはあまりにもギャップを感じてしまいましたねぇ。