「アイスクリームマン」

スターダス21養成所俳優クラス終了公演(2008年3月1日スターダス・21アトリエ)

 俳優養成所に通う若い役者さんたちの研修終了公演。それにしてはずい分難し い演目を選んだものだなぁ、と思いますけど。

 キャストの人数とか年代とかがちょうど良い条件だったんでしょうか。しかしこの台本を読 むと稽古場での役者さんのアドリブとか、その場の空気で出た即興的な台詞を活かして作 ったと思われる部分が多い。
 なのでコレをそのまま違う役者さんで忠実に演じると言うのはどうも無理がある気がする。 演出の方はきっと作者を尊重して極力忠実に台本を再現しようとしたのかもしれないけど、 普通に読んでも脈略が良く分からなかったり意味不明で感覚的? な言葉をそのまま役者 に言わせているので、役者さんが言い難そうなのを無理やり言ってる部分があって不自然 な気がした。

 役者が言い難いんだから、それこそ観ている方はもっと気持ち悪かったりする。思うにコレ はコレであくまでも "スターダス21版" と言うことなんだから、役者さんたちそれぞれが自 然に出て来る言葉に多少でも置き換えた方が良かったのではないかな。
 それは勿論作者さんがいることなので、断りを入れて許可が得られてからと言うことにな るのだろうけど、作者さんてそんなに厳しい方だったのかな。

 とは言えこの合宿制の自動車教習所に期せずして集まった若者たちの群像劇を、中々活 き活きと台本のテイストを再現することに成功していたと思います。
 こうゆう一見坦々といろんな人のいろんな事情が羅列されて行く芝居って、見慣れない人 には何が言いたいんだか分からない……となりがちなところを、なかなか飽きさせずによく 表現出来ていたのは、演出家と一生懸命な役者さんたちの成果だと思いますけど。

 た〜だやっぱし終わってから客席の中に 「ラストの意味が分かんない〜」 って声も飛んで ましたね。
 まぁこゆのは味わい方が分かってて見ないと 「何が良いんだか分からない……」と言った 類の芝居ではありますねぇ。
 でもこの手の芝居に初めて触れた観客にも、そのテイストをビビットに伝えることが出来た なら、きっとそれは忘れられない芝居になったのかもしれませんね。



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