「赤い河」
古い! 1948年(昭和23年)のアメリカ西部劇でハワード・ホークスの代表作。ジョン・フォード路線を受
け継ぐ形でジョン・ウェインをスターに決定付けた作品と言われてる。ジョン・フォードの映画はどんな対決モノでもあく
まで牧歌的な大らかさでまとまっていたのに対し、ホークスの映画はシビアでハード・ボイルドで実に非情な戦いが描かれ
る。この映画では牧童の父と息子が大量の牛を連れて移動する中でいろいろな意見の違い等から対立し始めて、遂には殺し
合いになって行く! 父子なのに普通に殺しあうノダ! って言うか彼等には親子の情とかって言うよりも、お互いに相手
を男と認めた以上は、プライドを賭けて闘うことは自然の成り行きなのだ! と言う凄まじい展開なのだけど、それがホン
トに「西部ではこれが当たり前」みたく平気で展開していくとこにハワード・ホークスの凄みがある。そして男の意地の為
には息子も容赦なく敵と見なす頑固な父親のジョン・ウェイン! 恐い! でもこれも間違いなく男の一面だ! この映画
は凄いけど、もう50年以上も前の映画なのに、これをモチーフにしたり類似した作品に今までお目にかかったことがない。
誰にも真似出来ないんだろうか、ここまでハードな題材に皆尻込みしてしまうんだろうか。そのせいか今見ても始めて見る
人はきっと凄く斬新な感じがするんじゃないかな・・でも残念ながら今回のこの枠では40分くらいのカットがあるんだよ
ね、あのニュアンスがちゃんと伝わるんだろうか・・。