「赤い鳥逃げた・・・2005」

劇団離風霊船(2005年11月18日池袋シアターグリーン メインホール)

20年前かの日航機123便が墜落した事故を題材に、初演はあの事件から半年も経たない時期に上演された と言う伝説の舞台。特に語り草に なっている衝撃のラストシーン? が観たくてせっせと行って来ました。今回の再演(再々演?)に関して書かれている 劇評で皆さん言ってる通り。やっぱし20年前の作品ですから、そりゃ当時コレを観た人がどれだけ衝撃を受けたかっ てことは想像つくけれども、今観る人は今の観客なのであって、特に演劇ってのはライブなワケだから、そこに古臭さ を感じさせてしまっては致命的じゃないかな。一番驚いたのは登場人物の片桐機長「逆噴射」で一世を風靡したけ ど今じゃ言われてやっと思い出す程度で、すごく陳腐な印象だった。当時まだ出回ったばかりの 家庭用ビデオデッキの画面「早回し」「早戻し」機能を舞台上で役者が体現して見せる手法も当時としては新鮮に面白 かったのだろうけど、今はキツイ! まぁこの作品はとにかく「伝説」であり、観た人が皆「アレは凄かった」って言う からオレも観たかったんで。だからあえて当時のまんまで上演してるって意図もあるのかもしれないけど・・・ 20年経った今観ると、正直「忘れていた悲惨さを思い出さされた」って感想が一番かな。もちろん事故の 悲惨さを忘れてはならないってのも分かるんだけど、これだけ時間が経った今当時のそのまんまで見せられると、あの前 半の趣旨はどうあれノー天気なギャグで紡いで行く演出は遺族のことを考えるとちょっと無神経で不愉快な感情さえ 芽生えた。ラストの衝撃 は装置的に見事だし伝説になるだけのインパクトは認めるけれど、20年の時間のズレがあるのに当時の趣旨と同じで は違和感が先に立ってしまって凄くイビツな印象もあったな。



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