「雨が唄う夜に」

劇団成人式 第4回公演(2004年10月8日ウディーシアター中目黒)

かの御大倉本聡先生の一番弟子にして一流のシナリオライターとして活躍している金子成人氏の主宰する、 その名も「劇団成人式」の4回目の公演。縁あってオレは2回目からの3本を観ているのだけれど・・・出演キャスト は皆さん頑張っていて中には光る個性のある人も多いのだけれど、いかんせん今回のは脚本がちょっとマズかった のではないかな。舞台となるのは老舗の温泉旅館で、ここでは昔気質の若女将が一度に一組の客しか泊めないと言 う昔からのポリシーを守って営業している。ところが手違いでそれぞれ5人ずつ二組の客が同時に宿泊に来てしまった。 と言うのが本筋で、それぞれ社員旅行と町内会の慰安旅行のメンバーとが、どちらが部屋を使うか等のいがみ合いで話 は展開する。その中でかつて互いに夫婦だった者同士がいたり、密かに抱えた事情が露呈したりして芝居が進行するの だが、それだけなのだ。それぞれの人間たちが抱えた問題が紹介されるだけで、なんら発展したり以外な展開 を見せることがない。悪く言うとのんべんだらりとさして大変でもないエピソードが羅列されるだけ。見ていてか なり退屈してしまった。約90分の上演時間で登場する15人ものキャストにセリフを割り振る必要上の問題なの か、それにしても何か他の設定にするとか考えようが無かったのかな? と思ってしまう。何より一流のシナリオ ライターの名を冠にする劇団としてこの台本で良いのか!(すんません)と思ってしまった。見事なセットやキャスト の皆さんが頑張っているだけに惜しいと思いました。



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