「アメリカン・グラフィティ」

 こぉ〜れ始めて観たときゃヘンな映画だと思いながら観てましたね、確か夕方 辺りのシーンから始まるんだけど(オープニングはヌケ作キャラの男の子がべスパで走って 来てガガガ……って駐車に失敗するんじゃなかったかな)
 映画が始まって段々夜のシーンになって、街に繰り出してるリチャード・ドレイファスを初 めとする高校生の仲間たちの経緯を交互に描いて行くんだけど、そ〜れがいつまで経っ ても夜が明けない!

 んで途中改造車に乗ったハリソン・フォードが出て来たり、卒業パーティでチーク ダンスを踊るロン・ハワード(今じゃ立派なハリウッド監督!)のシーンとか、ドレイファスが 不良に絡まれたり、始めて会った女の子に恋したり……いろいろあるんだけどとにかく夜が 明けない!

 メンバーのそれぞれのエピソードが語られる中をカーラジオから流れるウルフマン・ジャック のDJが紡いで行くんだけど、当時テレビ放映された時、このウルフマンの声を吹き替えてい た桑田圭佑がキョーレツでねぇ、素晴らしかったですよ。

 ん〜で物語はやがて街が朝を迎えるに当たってメンバーの一人とハリソン・フォードのカス タムカーでの所謂 "ゼロヨン" 勝負があったり、ロン・ハワードと彼女のラブシーンがあったり、 実はこの日は仲間たちの高校生活最後の夜で、朝になるとドレイファスは飛行機で遠くへ行 かなければならず、皆が飛行場へ見送りに来る。

 飛び立った飛行機の窓からドレイファスが下を見ると、あの恋した見知らぬお姉ちゃんの乗 った車(確か銀色のナントカバードだったかな)が彼を見送る様に走っているのが見える。  ああ〜青春が思い出になって去って行くのだなぁと(笑)すんません全部語っちまいました。

 でもそんなニュアンスを分析して見れる様になったのは大人になってずっと後のことですよ。 始めて観た時は訳も分からずただ胸がキュンとなって、切ない気持ちを感じてましたねぇ。

 ジョージ・ルーカスが考えた夕方から始まって朝を迎えるまでの一夜だけを一本の映画に すると言う発想は、当時としては斬新だったんでしょうね、映画会社のお偉方が理解出来ずに 怒ったのを、先輩であるフランシス・コッポラが「お前らはアホか?」と言ったという伝説が語ら れていますね。

 それに全編を彩るオールウェイズのメロディも、知らない曲でも意味が分からなくても強烈な郷 愁を感じさせますね、そしてエンディングの空に仲間たちの顔写真がそれぞれ映し出されて この人はその後どうなった、この人はどうなったと告げて終わるのは "アメグラパターン" と言 って他の映画が真似する様になったんだとか、あ〜また言っちゃいましたけど(笑)。

 そうですよ、皆さん、ルーカスって決してスターウォーズだけの人じゃなかったんですよ、そし てもしスターウォーズがあれだけ大成功してライフワークにならなければ、もっと新趣向な違っ た映画も沢山作っていたのかもしれません。



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