「暗黒街のふたり」
こぉ〜れは本当、犯罪歴のある所謂「前科者」が刑務所を出てから如何に苦労
して行くか……って問題が最初にガツンと来た作品でした。
小学生の時テレビで見て、こ〜のラスト! こんなラストがあって良いのか! と子供心に
思ったもんです。
その時一緒に見てた親父の言った「後味が悪いねぇ……」と言う言葉が忘れられません。
未だに「後味が悪い」という言葉を聞くと真っ先に思い出すのはこの作品です。
今は廃止になったらしいけど、この「ギロチン」にかけられて死んで行く時の気持ちって
一体どんななんだろう……と思うと今でも恐怖に駆られます。
今でこそ犯罪者が更生することの難しさ、みたいなドキュメントとか結構ありますけど、
それをこの作品は40年も前に、しかもアラン・ドロン&ジャン・ギャバンという二大スター
競演で作っているというところが凄いですよねぇ。
今の興業成績ばっかし気にしてる何処ぞの国の映画業界とは全く違う映画人の高い志を感
じます。
ねぇ皆さん、映画は楽しいばかりじゃない、かつてはこういう問題を突きつける、今の社
会はこれで良いのか? みたいな意義もあったし、映画の前身である演劇の歴史も実はこうい
うことを皆で考えてみようじゃないか、というところから始まっているんですよ。