あの夏、いちばん静かな海。

 北野映画 の魅力である2つの柱。「暴力」と「詩情」の後者が始めて鮮烈に紡ぎ出された監 督第三作! コレが無ければその後の北野映画 の展開は無かったのではないでしょうか。

 第一作のそのまんまなタイ トル「その男、凶暴につき 」での鮮烈な暴力は衝撃的だったけど、第二作「3−4X10月 」も同じ様 な暴力映画だったので、引き出しはコレだけなのかな……と少々ガッカリしていたので、この第三作は喝采 でした! 

 この狂おしさ、恥かしいくらいに眩しい純情! 海、海、海……良い意味で学生の作った自 主映画の様な胸に迫る切なさ。ここで始めてタッグを組んだ久石譲のこの音楽!
 もう大好きで大好きで今もCDを大事に持っています。サントラを聞くと当時の自分、当時の生活、当時悩んでいたこ とまでがアリアリと気持ちに蘇えって来て……切ないですねー本当思い出の映画ですよ。

 また映画の 題名が画面いっぱいに浮かび上がるラスト! 見ている方に監督 の心情が痛いくらいに重なって涙が出ました。



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