年老いた母親がボケ始めて心配するサラリーマンの主人公。彼は母の
散歩の途中で迷い込んだ不思議な場所で離婚した妻に出会う。そこには老人介
護施設があって、妻は採用面接試験に来たのだと言う。
そこでボケた母の戦時中に死んだ恋人との思い出が具現化して演じられ、当時
の恋人、実は生きていて老人になった彼、母の少女時代の姿等が錯綜して展開し、
時折胸に響くキーワードが羅列され、よく分からない舞台の大騒ぎを観ているうちに
何がしかの感慨に引き込まれて行く。
……こゆの昔流行りましたよね。古くは唐十郎や夢の遊民社〜離風霊船とか?。
一頃のアマチュア演劇と言うのもこの毛色のが実に多かった。だから見ていてとて
も懐かしい感情に襲われました。
それも見たところ結構ご年配の役者さんたち(失礼)がパワー全開で楽しげに演じ
てるのを見ると、圧倒される部分もあるのだけれど、正直ちょっと「コレを今やる必要
があるのか?」と言う思いも起きてしまった。
とは言え見ているうちは充分楽しかったですよ。役者さんたち特に南河内万歳一
座の荒谷さんの、若い者を蹴散らすパワーには圧倒されてしまった(笑)。