「アサシン」

 かのリュック・ベッソンのウルトラ大傑作(と呼んでいる)「二キータ」を字幕を読めないアメリカ人の為にジョン・バダムが忠実にリメイクした作品。

 ここでのフランスからアメリカへの置き換えが微妙で興味深い。やはりウィットと感性を重んじるフランスと、単純でハッキリしたエンターテイナーのアメリカの違いが忠実なリメイクとは言え随所に見える。

 そもそもオリジナルのヒロイン、アンヌ・バリローは美人じゃない(失礼)けどあの人物像こそがベッソンのイメージした「泣き虫の殺し屋」なイメージなのだ。

 アメリカ版のブリジッド・フォンダはオレ的に一押しハリウッド演技派女優でコレも正当な美人じゃないけどどちらかと言うとカワイコちゃんで、感情を的確にハッキリ表現する演技だ。

 他にもジャン・レノが演じた死体処理専門の「掃除屋」をハーベイ・カイテルが。育ちの悪い二キータに上流女の振る舞いを教える先輩役のジャンヌ・モロー! をアメリカ版ではなんとかの「卒業」のアン・バンクロフトが!
 等々仏米の配役の対比も凄く興味深かった。あと名前分かんないけど後にヒロインに恋する教育係り役の男も見比べて見ると面白いですね。

 だ〜けどやっぱりこの物語はアメリカの様に単純ではない。この三回転半ヒネリな脚本の妙は、やっぱりヨーロッパテイストなのだ。
 単純に割り切れない面白さとでも言っておきましょうか……って結局オリジナル「二キータ」ヨイショな文章になっちゃいましたね。



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