「決定版 熱海殺人事件」

SSTプロデュース vol.7(2006年4月14日新宿サニーサイドシアター)

つか作品の中でも「熱海・・」はアマチュア公演等で一番人気が高く、本場の若手公演も含めて 様々な劇団のバージョンを見て来ました。正直「今さら・・」感が否めなくなって久しいんだけれど、 コレはまさしく「決定版」と銘打つに値する絶品でした。つか作品の魅力は汗を飛び散らしセリフを まくし立て情熱を爆発させる役者のライブ感なんだけど、それを本当にこの境地までボルテージを上げて 行った公演はさほど無かったと思う。これまで「蒲田・・」「寝取られ・・」と連続で来たサニーサイド さんのつか作品は最高です。「コレがつかなんだ」ってテイストを生で再現して見せてくれ ます。中でも人気作品の「熱海」は最高の出来でしたね。オレ本場つかさんの若手公演でも 見たことあるんですけど、正直今回の方が数倍良かったです。それは多分役者さんたちの経験の差なん でしょうけど。SSTさんは所属俳優さんが少なくて、今回 も婦人警官の加藤久美さんを除く三名は他からの客演でおそらく始めてのコラボだったのではないかな、 この伝兵衛、犯人、熊田留吉を演じた男優さんたちは皆さんかなりキャリアを積んだツワモノな方たち なんでしょうね、それぞれが何と言う存在感! いや〜微妙にそれぞれ芸風が違うんだけれど、それぞれが ホントにカッコ良かった! この三者のぶつかり合いに加えて可憐な花を添える久美さん。いや〜この汗ツバ ほとばしる愛憎とギャグの突っ走りこそがつかなんでしょう。観客のいじり方、巻き込み方もオレ普段は引く んだけど、普通に乗せられてしまいました(笑)コレを手の届きそうな小劇場で観られたことは本当に 贅沢なことだと思いました。もちろん坂田俊二さんの演出があってのことなんでしょうけど、いや〜この 役者さんたち夢麻呂さん。コンタキンテさん。岡部たかしさんは本当にカッコ良かったです。



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