「バイオレント・サタデー」
「ゲッタ・ウェイ」や「ワイルド・バンチ」「戦争のはらわた」等で知られる言わず
としれたアクション映画の神様、サム・ペキンパーの83年遺作! 銃撃戦をスローモーショ
ンとカットバックを入り乱れさせて描写する独創的な編集術はここでも健在! 香港映画を始
めとしてこの編集術は今でこそ当たり前の様に使われているが、みんな元祖はペキンパーだ。
彼がこの表現を思いついたのはクロサワ「七人の侍」の切られた侍がスローで埃を立てながら
ゆっくり倒れて行くあの編集だったらしい。遺作となった本作でもそうしたペキンパー独特の
タッチを堪能出来る。とは言え往年の様な男のダンディズムや溢れる男のロマンと言うよりは、
スパイ同士の殺伐とした殺し合いな印象が強い作品になっています。スパイ戦の緊迫感とスピ
ーディーなアクションが楽しめる面白い作品でした。