「ベン・ハー」

この映画はひとことで言って「ホンモノの凄さ」でしょう。CGが存在しない時代、いまから45年も前に作ら れたんですよ。でもだからこそのスペクタクルなのかもしれませんね。何せホンモノでやるしかなかった訳ですから。 群集も巨大なセットも、作らなきゃ出来ない訳ですから。それらを本当に作ってやってるところが凄い、凄すぎる。CG なんて所詮は絵ですから「ロード・オブ・・」や「トロイ」を見てても、あの群集は凄いと思いながらも、所詮CGだか ら、と心の中で冷めてますよね、だからこの「ベン・ハー」を見るとまさに本物の迫力に圧倒されてしまいます。特にあ の戦車競走の場面は一体どうやって撮ったんだろう・・・と目を見張るカットの連続だった。この当時ハリウッドで作ら れた「エル・シド」や「クォ・バディス」「十戒」等の歴史劇超大作を観ると、今では到底制作不可能なスケールの大き さに驚きますね。そもそもこないだの「トロイ」なんて脚本からして酷かったですからねぇ。あんなもの金出して見るく らいなら「ベン・ハー」を大劇場でリバイバルしてくれた方がよっぽど良い。「ベン・ハー」の波乱万丈劇は本当に夢中 になって観れる。作者の意図としてはラストにキリストの起こす奇跡が重要だったのだろうけど、この巨大なスケールで リアルに再現されたローマ帝国等の描写や、リアルに描写されているストーリーが、あのラストの奇跡だけが嘘っぽくっ て何だかオレはヤだったな。やっぱりアメリカはキリスト教の国だから、ああ言う伝説みたいなことが大事なんだろうけ どね。それにここでのチャールストン・ヘストンの、まるで神に導かれる様にして激動の人生を生きて、最後に人への恨 みを捨てて救われる神々しさを思うと、最近話題のクリス・コロンバスの「ボウリング・フォー・コロンバイン」を見る となんだか人間の虚しさと言うか、世の不条理と言おうか、嫌ですねぇ(笑)「ボウリング・フォー・・」をテレビでや った時雑誌の情報欄に〜出演・チャールストン・ヘストン〜ってなってたけど、ああ言うのも出演と言うのかな・・と思 ってしまった。知らないで見た人はきっと驚くよな(苦笑)



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