「ブラッド・ワーク」

 スタローンとかシュワルツネッガーとか、ハリウッドにスターが出て来ても、トップで活躍するのはせいぜい10年くらいのものなのに、イーストウッドはもう40年もずっとヒーローなんだよな。
 しかも監督としてもアカデミー賞を取ってしまうくらいの技量を見せる活躍振り、コレは誰にも真似出来ませんね。

 映画が一番面白かった60〜70年代から今だにバリバリの現役でトップに立ってるんだから、なんかもう「イーストウッド」と言うひとつのジャンルを作ってますね。いろんな映画でどんな役を演じても全てに共通したこの人らしさが貫かれてる。
 この映画も勿論たっぷりなイーストウッドテイストに貫かれていて、彼の生きる「男の倫理」がガンコに、時には暴力に訴えてでも(笑)貫き通す律儀さは彼だからこその説得力。

 今回は心臓移植を受けて命を救われた刑事と言う異色の設定ですが、今回もが〜っつりイーストウッド兄ィのテイストで、キッチリとその恩に報いてくれます。

 しかーしこの人もう本作の時点で70歳を超えてるんでしょ? 最近の「硫黄島」二部作〜「チェンジリング」〜「グラントリノ」(コレはショックでしたけど)の精力的な監督っぷりといい、こ〜の相変わらずのタフガイ振りにゃあ男の生き様のお手本みたいで嬉しくなっちゃいますねぇ。

 マカロニウエスタンに始まりハリウッドのスーパーヒーローになり、今や超一流の映画監督ですよ!
 よく映画の歴史の中で誰が一番……とかって話するけれど、まぁ映画監督として第一人者は名実ともにスピルバーグですね(個人的にはデビッド・リーンですけど)俳優だとやっぱしスティーブ・マックィーン。
 監督とか俳優の垣根を取って"映画人"と言うカテゴリーがあったとしたら、間違いなくイーストウッド兄ィはベストスリーくらいにゃ入ってんじゃないでしょうかね。



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