「バットマン リターンズ」(92米)

 こ〜のパート2! 一時は「続編は絶対に第一作を越えられない」と言われていましたけれど、後に「エイリアン」「ターミネーター」シリーズの「2」がボルテージも面白さも倍増して「リターン」するに及んだ、先駆的な作品だったのではないかな。

 何しろ「バットマン」の面白さはその敵役が、悪に転ずる原因となった屈折した経緯にある。
 ここでの母親から下水道に捨てられた赤ん坊だったダニー・デビートのペンギン男!
 酷い男に心を弄ばれ、挙句に騙されてビルから身を投げたミシェル・ファイファーのキャットウーマン!

 特に独自の風体を活かしたダニー・デビートのペンギン男は鮮烈でした。本人は気持ち悪いのに、その後をゾロゾロ付いて歩く手下のペンギンたちは可愛らしいという。この奇妙なアンバランス加減がまさにティム・バートンタッチ!

 子供向け、とかファンタジー世界に理不尽な仕打ちを受けた者の恨みや悲哀を持ち込んでるところに、この映画のボルテージを高めた要因があったのではないでしょうか。

 そういうテイストが後年の大傑作「ダークナイト」に繋がったのかもしれませんね。



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