「カールじいさんの空飛ぶ家」

 いやぁ〜〜〜楽しい楽しい楽しい楽しい♪♪♪ 大好きですよ!

 でも他の皆さんの感想レビューとか読んでみると、オイラみたく手放しで? 喜んでいる向き とは逆に「ピクサーの質が落ちた」とか「後半のアクションはいらない」みたいな期待ハズレ だった向きもある様ですねぇ。

 今までのピクサー作品と比較して批判してる向きもあるようですが、そんなにもピク サーって凄かったのでしょうか? オイラは「ファインディング・ニモ」と「レミーのおいしいレ ストラン」くらいしか観てないんだけど。

 確かにあの予告映像やCMを観て期待するのは、昔の老人が飼い猫を連れて旅を する「ハリーとトント」やデビッド・リンチの「ストレートストーリー」みたなしみじみ系な物語 ですよね。
 すっかりそのつもりで観に来た向きにはあ〜の後半まさかの "冒険活劇" にゃ面喰らっ たのかもしれません。

 そりゃオイラも歩くのさえ杖をついてた70歳? のジイサンが後半あんな宮崎駿な 冒険活劇を展開するとは思いもよりませんでしたけど、オイラの場合は逆に思ってもみなかった 展開に得した気分で、あの巨大飛行船と空飛ぶ家の空中バトルが始まった時にはヤッター ってな感じでしたよ(笑)。

 思えば往年の宮崎駿ファンが一番作って欲しいと思ってる作品ってこんなのじゃないんで すかね。それを宮崎作品に影響を受けたハリウッドメジャーのクリエイターたちが作って くれちゃったって感じですかね。いや〜嬉しかったですよ。

 あ〜の喋る動物たちを巻き込んでの空中追いかけっこはまさに「長靴をはいた猫」やギガ ントの翼を走り回る「未来少年コナン」でしたねぇ〜いや〜ホントに思いがけなくって涙が出 て来た(笑)。

 でも本当、同じ映画でも観る人によってこうも感じ方が違うのかとは思いましたね。だって 今年の夏に大ヒットした「サマー・ウォーズ」なんてオイラは周りが熱狂してる中で一人で鼻白ん じゃって冷めてましたからねぇ。
 自分が面白くなかったからといって面白がってる人をバカにする様なことを言ってはいけない んだなぁと、今更ながら思ったのでした(苦笑)。

 そりゃ誰が観ても完璧といえる作品なんてあり得ないのだし(歴史上稀にそう思えるのもあり ますが)結局は観客それぞれの感じ方で決まる部分もありますよねぇ。

 でも期待ハズレだったという人たちもみなさん書かれているのは「家が飛び立つまでは良 かった」ということ。
 そうですね〜本当カールじいさんと奥さんとの幼い頃の出会い〜夫婦生活〜 の歴史のモンタージュは泣けるのだけれど、何でこんなに泣けるのかなぁと泣きながら考え てみるに、それは現実には「こんなに生涯ずっと仲良く喧嘩もした形跡のない夫婦なんて あり得ない」からじゃないかと思う。
 だから「ああ〜こんなに美しい夫婦がいたら良いのになぁ」という願いと共に「現実の夫婦 はこんなに仲良く過ごせない」という虚しさが涙を流させているんじゃないかと……。
 そして屋根から無数の風船が飛び出してあ〜の大飛翔ですよー! そりゃ泣きますよ、コレ は「E.T」で自転車が空を飛ぶのと同じシステムです「こんなことが本当にあったらどんなに素 晴らしいんだろう」って現実にはあり得ないことを知っている虚しさが爆発するんです。ああ〜 泣いた泣いた。

 コレは宣伝の仕方もそうでしたけど、明らかに大人をターゲットにした作品ですよね、 なんたって主人公が老人なのだし。
  今までに子供向けに作られている物を大人が観て期せずして泣いてしまうという物はあ ったけど、そもそもの企画から大人を泣かせてやろうというコンセプトで作られた子供向けア ニメというのは新しいんじゃないかな。
 かの「クレヨンしんちゃん」や「ドラえもん」ってのはどうだったんですかね。ともあれ本作の 成功で今後はこんなコンセプトで作られる作品が増えて行くやもしれませんね。

 あと余談ですけどあのかつてのヒーロー転じて悪役ジイサンとなった人の顔どっかで見た ことあるなーと思っていたら、声をアテてたのがかのクリストファー・プラマーだったんですね、 そう「サウンド・オブ・ミュージック」のエーデルワイス親父ですよ!
 あ〜の優しい優しいエーデルお父さんが、まだ生きていてあんな悪ジイサンに姿を変えてい たとは! 懐かしいですよねーっていうか正直「まだ生きていたのか(失礼)」って感じ。それ も本編の内容とリンクしてたのかな(笑)。



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