「地下水道」
第二次世界大戦中ナチスドイツに侵略されたポーランドで決起したレジスタンス(抵抗
軍)の人々が、攻めてきたドイツ軍から逃れる為に地下水道(下水道の様な物)に潜り込んで逃げ
続けるというお話。
大勢の人々がゾロゾロと長い長い暗い下水道をバシャバシャ水に浸かりながら延々と逃げて行
くのだけれど、途中で出口は無いし、一体何時になったら外へ出られるのか……。
何処まで行っても延々と歩き続けるばかりで、やがて疲労し絶望が押し寄せて来る。
もう〜コレは恐かったですね。なんたってリアルですよ。本当に戦争になって機関銃やらいっぱい
持った敵が攻めて来たら、そりゃ下水道でもなんでも逃げるでしょ。
人が血みどろになって死んで行くのもそりゃ直接的で悲惨だけれど、銃で撃たれるとかじゃなく、
ジメジメして暗い下水道の中を延々とさ迷う様に歩き続ける人々の描写が本当恐かったですね、
自分も一緒にいるみたいな気がしてきて、居た堪れないですよ。
暗い下水道での撮影が凄い閉塞感と圧迫感を産んでいました。
ポーランド出身で反戦を訴え続けるアンジェ・ワイダ監督の出世作ということですが、本当コレは
リアルな迫力に満ちた凄い作品でした。
まるで自分の恐怖体験を消化しきれずがむしゃらに書き殴った様な迫力でした。