「ダイ・ハード2」
それ以降のアクション映画の流れをガラリと変えてしまったかの大傑作の続編。
コレは作る方は難しかったと思いますよ。だってそもそもシリーズにしようなんて企画じゃ無かったワケ
ですから。
007やスパイ大作戦の様に主人公は常に特殊任務に赴くのではなく、一介の刑事さんがたまたまそ
の場に居合わせた為にスペクタクルな大犯罪に立ち向かわなければならなくなると言う……このコンセ
プトでシリーズにすると言うのは無理な話ですよ。
第一作は一発勝負だったのでその設定が無理なく面白く観られたのですが、また……と言う時点でもう
苦しい。その辺はもう開き直って毎回 「世界一不運な男」 と言うことで 「何で俺ばかりがこんな目に……」
と主人公がボヤくことで不自然さを逆手に取って誤魔化してます(笑)。
で今回の事件は、テロリストが飛行場を占拠して例のごとく有力な政治犯の釈放を要求してくる。この飛
行場に着陸すると飛行機が爆破されてしまうので、降りられなくなった飛行機は上空をグルグル旋回して
着陸出来る様になるのを待っているのだが、やがて燃料が無くなってきちゃう! その飛行機には主人公の
奥さんも乗っているのだ! 季節はクリスマス……。
と言うワケでお膳立てが揃ったところでお馴染みマクレーン刑事 「どうしていつも俺は毎年クリス
マスにこんな目に遭うんだ」 とボヤキながらテロリストたちと戦って行く(楽)。
またその戦いの描写がそれぞれ工夫を凝らしていて、ハードでありながら何処と無くユーモラス、映画館
では絶えず笑いが起こっていましたね、第一作のファンたちへの期待に応える為に工夫を凝らし、楽しませ
ようと言う苦労が漲っていた。
しかし第一作がシリーズ化を意図した企画でなかっただけに、テロリストの設定とか事件の流れ等に苦
しいところも随所に見られて、終わってみれば 「なんでそんな回りくどいことをしたんだ?」 みたいな釈然
としなさが残る残る。
作り手の苦労が痛々しい感じさえしましたね、ラストは思わず苦笑してしまった。
と〜は言えあの第一作の大興奮の期待に全力を挙げて応えてくれた面白い作品だったと思いますよ。