「ダ・ヴィンチ・コード」
こ〜れは当時鳴り物入りで凄い宣伝振りだった割にはあんまし面白くなかった。
ぶっちゃけキリストの末裔が生きていよーがどうしょうがどーでも良いと思ってしまった。特に日本人だから
かな。そもそも前提となるテーマにイマイチ興味を惹かれないし、謎解きサスペンス物としても上手くない。
ロン・ハワード監督って「バックドラフト」や「遥かなる大地へ」とか「身代金」にしろ面白そうな大作なのに
内容がみんなユルくて薄い印象だったもんなぁ……。
この人はやっぱホンワカな「バックマン家の人々」みたいなホームドラマとかが合ってるんじゃないでしょう
か。
ロン・ハワードと聞くと今もオレは未だに役者として出演してた「アメリカン・グラフィティ」のあのそばかす
でひ弱なにいちゃんな印象が強いんだよな。
この映画は日本人には馴染みのないキリスト物ってこともあるんだろうけど、巻き込まれサスペンスとして
も最初のつかみからインパクト無いと思った。
最初の犠牲者の殺され方だってもっとエグイこと他で沢山やってるし、トム・ハンクスを追いつめる刑事の
ジャン・レノだって全然恐くない。
トムと一緒に逃避行する謎のヒロインのキャラもほ〜んと凡庸。致命的なのはやっぱし謎解きの主題であ
る「イエス・キリストに子供がいたのか?」ってことにあんまし興味が惹かれないこと、日本人には馴染みが
薄いものね。
そりゃ生まれた時からキリスト教徒で食べる前のお祈りとか生活習慣にまでイエスの教えが浸透してる中
で育ったアメリカ人とかには、天地がひっくり返る大問題なんかもしれんけど、それだってもう2000年も経っ
てるんだし、ここまで世界に浸透してる教えなんだから、今さら「イエスも普通の人間だった」って分かったか
らって信仰の意味がそれ程変わるとも思えない。
ストーリーはイエスの血を引く末裔の存在を隠そうとする信徒たちと、その人間を探し出して殺して事実を
葬ろうとする信徒たちの戦いが展開するんだけど、そこまで必死になって戦う双方の気持ちが実感として理
解出来ないので面白くない。
それに映画としてはややこしい歴史背景。イエスが神様として扱われる様になった経緯や、その中で子供
を隠したこと等、ストーリーを十字軍や魔女狩り等の歴史上の事実に絡めて解説するんだけど、その辺は
やはり読み物としての面白さであって、延々と続く解説は映画としては退屈になる。
そもそもそんなに興味も無いんだから。それに最後のオチも途中から薄々読めちゃうし、「ど〜せそうなる
んだろ」と思っていたら「やっぱしそうなったか」でドッチラケてしまった。
どーせならそのイエスの末裔に最後水の上でも歩かせた方がまだシャレが効いている。と思った。どーせ
フィクションなんですからねぇ。
当時鳴り物入りでスッゴイ多数の映画館で上映してたけど、きっとコレこけたんじゃないのかな。
それと役者はやっぱ良い作品があっての役者ですね、トム・ハンクスの顔がマヌケに見えてしまいました
よ(スンマセン)。