「ダーティハリー2」
ドン・シーゲルが放った決定的なダーティヒーローがまた登場! と言うことで当時の観客はさぞ
狂喜して見に行ったことでしょう。第一作のラストで犯罪者に甘い法制度に嫌気が差した
ハリーは警官バッジを川へ放り投げてしまいましたが、この第二作では何の説明もなく普通にまた刑事
をやっています。この作品では、法律では裁くことの出来ない権力者の悪人を非合法的に殺戮してし
まう過激派警官たちのグループが登場する。そもそも悪いヤツを裁くには甘すぎる法制度に怒っていた
ハリーと同じ志と言える彼等はハリーと接触し、仲間になって欲しいと持ちかけるのだ。この白バイ警官
たちとハリーが接触するシーンは実にスリリング、果たしてハリーは何と返答するのか・・と思いきや、
「法律を無視した殺戮なんか許さない!」と真っ向から突っぱねて敵に回るのだ! ここで描かれるの
はハリーの刑事としての哲学だ。法律の甘さに怒りつつも決して法は犯さない。言わば法律の番人と
しての究極の保守者であることが描かれる。そしてクライマックスはこの過激白バイ警官たちとハリー
の戦いになるのだが、ハーレーダビッドソン軍団とハリーの戦いは地に付いたアクションで前作のドン・
シーゲルのタッチを踏襲した迫力がある。コレを始めて観た時は正直前作で見せた法を犯してでも悪人
をやっつけるハリーのダーティ振りがカッコ良かっただけに、過激警官側にちょっと
共鳴を感じてハリーの撥ね付けには違和感を覚えたものですが、そこがこの作品の最大テーマだった
のですね。言わば前作のハリーの心理をハリー自らが反駁する内容になっているのが見所なのだ。