「ディア・ハンター」

 こぉ〜れ3時間ノーカットでやりますかぁ! 冒頭? の結婚式だけで延々1時間 ですよ! コレ観た時中学生でねぇ、もう〜結婚式が長くって長くって、いつまで皆で踊って ドンチャン騒ぎをしてるんだぁ! って思っていたら、そこからいきなり戦場シーンになって 火炎放射器ボワー! 穴の中に子供や母親が隠れてるのに手榴弾投げ込んでボン! このギャップ!

 監督としては楽しい結婚式からいきなり地獄! ってことだったんでしょうけれど、まぁ確 かに驚きましたわね。でもそこ行く前に映画館じゃなかったらきっとチャンネル替えてたかも。
 この作品今までテレビ放映される時は長くても2時間半枠で、いつも冒頭の結婚式のシーン はバッサリ行ってましたからねぇ。

 あんまし長くて挫折しない様におおざっぱに説明しますと、田舎でいつも一緒に鹿狩りを楽し んでいた男三人組(ロバート・デニーロ クリストファー・ウォーケン ジョン・サヴェージ) がベトナム戦争へ行くのだけれど、ジョン・サヴェージは脚を折って車椅子に、クリストファー ・ウォーケンはロバート・デニーロと一緒に捕虜になって無理やりやらされたロシアンルーレッ トがトラウマになって気が狂い、秘密の賭博場でロシアンルーレットをして金を稼いでいる。 でそれを知ったデニーロが助けに行く……ってな展開です。

 世の中にロシアンルーレットと言う物を知らしめた映画でもありますね。ロシアンルーレット のシーンは今でこそあざといと言うか、戦争の悲惨さを表現するのに直接的な戦場描写の代わり になっていたということが分かるけど、当時観てた時はマ〜ジ怖かったですからねぇ。

 この映画が公開されたのはまだ「プラトーン」が出る遥か前で、ベトナム物と言えば短絡的で現 実離れした「グリーン・ベレー」くらいしか無かった時代です。
 なので今思えばストーリー展開が多分に作り物っぽいと言うか、フィクションならではのドラマチ ックに過ぎる感はあるけれど「ゴッドファーザーU」でブレイクしたデニーロが「タクシードライ バー」を経て名優としての地位を確立したのが本作でした。

 デニーロがベトナムの地獄からやっと故郷の町へ帰って来た時、仲間がタレ幕に「お帰りなさい」 って書いて向かえてくれているのに、デニーロはそのまま車を走らせて通り過ぎ、場末のモーテル に一人で入って行く。あれ? 皆が待ってるのに何してるのかな……と思っていたら、部屋に入って 一人で泣くんですよ! こ〜れはキョーレツだった。
 んで泣きながらこめかみを手で押さえてるんですよね、ロシアンルーレットの怖い記憶が傷になっ てるんですよ。この辺りの演出が子供心に凄かったですね。

 あとラスト、足を失って車椅子のジョン・サヴェージやメリル・ストリープと、死んでしまった クリストファー・ウォーケンの葬式のシーンで皆が「アメリカ万歳」みたいな歌を静かに口ずさみ ながら食事の用意をするんだけど、誰も口には出さないけれど空気を埋めつくしている悲しみ!
 
 そんな訳で本作は今観るとベトナム戦争の現実からはちょっと創作に走っている感はあるけれど、 要所要所のそんな演出は凄かったですね。延々と続く1時間の結婚式を観る価値はありますよ。

 それと余談だけれど、地下の秘密の賭博場でロシアンルーレットを仕切ってるタバコ咥えた東洋人 が凄いインパクトありましたね。よくリボルバーのモデルガン持って真似してました(笑)。



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