「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」
ついこの間「ランド・オブ・ザ・デッド」でひーさびさーの健在振りを発揮してくれ
たゾンビ御大ジョージ・A・ロメロが、2年も経たないうちにまた新作を送り出して
くれました。もう〜映画ファンとしては狂喜ですよ狂喜!
だけどこ〜れ本国のアメリカでは劇場公開されず! DVDだけの発売だった
とか、日本でも上映館が少なくて、新宿ではやってない! しょーがないから地
下鉄の音がうるさい銀座シネパトスまで行って来ました。
そ〜したらアナタ、やっぱしお〜もしろいですよ! こ〜の冒頭殺人事件の現
場をリポートしてるテレビ画面で、搬送されるストレッチャーの遺体が動きだして
救急隊員に噛み付く描写! おお〜来〜た来た来た来たぁ! このセンス!
この状況設定! 音響やCGに頼ったこけおどしでないこ〜のリアルな世界観こ
そロメロゾンビの真骨頂だぁ。
観た後でその辺歩いてたらホントにゾンビがフラフラ歩いて来そう……なんて
思わせるのはロメロだけです。東京も崩壊したと言ってましたし(笑)今回は全
編が自主映画を製作中に事件に出くわした学生の撮るカメラ映像と言うことで、
今流行りのカメラぶん回しな気持ち悪い感じを危惧していたんだけれど、そこは
さーすがロメロ御大。程よくあくまでリアリティを醸し出す為の手法として加減して
あるので効果を上げていました。
それとロメロにはただストーリーを追って行くだけでない社会情勢を投影した批
判や問い掛けもあって、観ているとそれ等を考えさせられるので作品に深みを感
じますね。
今回はマスコミ報道批判や発達しすぎたネットメディアの何たるかの問い掛けも
ある。
確かにマスコミ報道と言う物には必ず何らかの示唆が入ってるし、それによって
大衆の意識が左右されてしまう部分ってのはありますよね、かと言ってネットによ
り個人が発信する映像が氾濫すると、それはそれで全てが主観から主張された
物で溢れ返ってしまい、どれを信じて良いのか分からなくなる……結局は混乱が
混乱を呼び、遂には人間なんか助ける価値も無いのではないか……なんてこわ
〜い結末に突き放される。
いや〜こんなにマジで見られるゾンビ映画なんて他に無いですよ。って言うかロ
メロは最初ッからマジだったんだけど、それを真似した亜流がみんな不真面目な
方向へ進んで行っちゃったんでしょうね。
し〜かしさすが本家本元、今回のゾンビ退治の残酷描写も群を抜いていますね、
特に病院で電気ショックを頭に当ててスパークさせるの最高(最悪?)でした。硫
酸をかけられてだんだん頭が溶けて歩けなくなっちゃう黒人のもエグかった(笑)。