「ドラゴン ブルース・リー物語」
一時期流行った有名人の伝記映画ブームの中で作られた一本。
当時他にはかのチャップリンを扱ったリチャード・アッテンボローの「チャーリー」(最悪だった…)
とか黒人活動家? の「マルコムX」(コレもツマランかった)とか、結構ハズレが多かった中、我
等がリー兄貴の本作は、事実本人の生涯に謎めいた部分も多かったせいか、じ〜つに素晴らし
かったですね。
若い頃は香港で喧嘩に明け暮れてたってことでアクション描写も見せるし、本作でリーの役を演
じたジェイソン・スコット・リーも本人に比べて多分にブ男ですが身体鍛えて、ちょっとヘンだけどヌ
ンチャクも頑張ってます。
香港でヤンチャしていた少年時代からアメリカに渡っての学生時代、仲間を集めて拳法を教え始
めて後に結婚するリンダと出会い、やがて自分の道場を持つ様になり……と登って行く人生に夢
があって良いですねぇ。
でもそんな中で「他所の国の者に中国拳法を教えてはならない」と偉い人たちからの邪魔が入っ
て刺客と戦ったり、やがてアメリカのテレビドラマ「グリーン・ホーネット」に出演してから人気が出
て、香港に帰って初めての主演作「ドラゴン危機一髪」で一躍大ヒーローになる件、本当にロマン
があって、僕らが知った時にはもうこの世の人では無かったけれど、紛れも無く今も殆どの男たち
のヒーローであるリーの人生には心を熱くさせる物がありますねぇ。
そして今も謎の残るあの「死」実は父親の時代から何か不吉な物に捕らわれていた様なリーの
死生観と、この作品でのその解釈の付け方は興味深く、またその描き方がこの作品を印象深いモ
ノにしていたと思います。
いやーコレは良いですよ。まぁオレの場合ブルース・リーのことをいろいろ知ってて見たから興味
も倍増やったのかもしれないけど。
まぁかのアクションスターの生涯と言うことで、サービスのつもりなんでしょけど、随所に蛇足的な
アクション場面も多いですが、最後かの「燃えよドラゴン」の撮影が始まって、ああ〜いよいよ死期
が迫ってるんだな……って思わせるもの悲しさとか、ある種「グレン・ミラー物語」の様な格調高さま
で感じましたね。