「イージー・ライダー」
懐かしいですね。ある種古典ですね。今でこそもう影も形もなくなってしまった
"反体制" とか "バンカラ?" って言葉が流行った頃。映画に出て来る若い男
の部屋には必ずと言って良い程この映画のポスターが貼ってありましたよね。
当時はとにかく体制に反発してさえいればカッコ良かった時代だったんでしょ
うねぇ。オレなんかは少し後の時代でしたけど、少年期に見たコレから始まるニ
ューシネマの傑作群には今も生き方に多大な影響を与えられています。
良く言えば名も無く貧しくとも負けないぞーみたいな。悪く言えば現実から斜に
構えてお気楽極楽〜みたいな……(笑)
でもアメリカンニューシネマの口火を切ったこの作品のラストを見ると、コレが
フランスヌーベルバーグ(特に「気狂いピエロ」)からの飛び火だと言うことが良
く分かりますね。
ヌーベルバーグの場合は特に「反体制!」を声高に叫んでいた訳では無い
けれど、コレがアメリカに飛んで反体制の思想と合致したんでしょうね。
今のハリウッド映画なんかから比べるとぜ〜んぜん金掛かってないけれども、
このピーター・フォンダ! デニス・ホッパー! ジャック・ニコルソンの何と素敵
なことよ!
当時ピーター・フォンダの親父さんであるかの名優ヘンリー・フォンダはこの映
画を全くまともな作品とは認めていなかったらしいです。それでこそ反体制映画
! って感じしますね(笑)
あと余談ですけど、アメリカに飛び火させて一大ニューシネマ時代を到来させ
たフランスのヌーベルバーグ作品には、さらに原点があってそれが日本の中平
康監督・石原裕次郎主演の日活作品「狂った果実」だったらしいです。
見れば成る程と思いますよ。思えばマカロニウエスタンの原点も黒澤時代劇
ですし。きっと昔の日本映画の感性って凄かったんですよ。