「えんとつの上、星空の下」
TOKYO ROCK'N PARADAISE Vol,17(2003年5月22日THEATER BRATS)
ドラマやバラエティーで活躍している布施博さん率いる劇団「トーキョーロックンパラダイス」の17回目
の公演。この劇団の演目には大きく2つの流れがあって、ひとつは布施さんの趣味と思える皮ジャン反抗モノみ
たいので、出演者はみんな皮ジャン着て喧嘩腰で叫ぶ様にセリフをがなる芝居と、もう一つがこの座付き作家件
女優さんである井上和子さんの書く戯曲によるハートウォーミングなホームドラマ路線なのです。こちらの路線
での布施博さんはカッコ良いと言うより3枚目のお兄さん等の役になるのですが、今回はなんと白髪交じりのお
父さん役でした。最初出て来た時それが布施さんとは分からないくらいの役つくりをしててちょっと驚いてしま
った(笑)でもカッコばかりつけて内容の酷い皮ジャン路線よりこちらの方が断然好きです。今回の井上さんの
戯曲はお葬式のあと死体を焼く火葬場に集まった家族のお話で、その家の銭湯を継いでいた長男を失った父親が
布施さんで、長女が井上さん。その他兄弟や友達などで展開する物語なのですが、笑いもアリ涙もアリの心暖ま
る舞台でした。何よりここは布施さんを親分とした役者さんたちのチームワークが良くて、いつも楽しそうな良
い空気を作っています。それにしても布施さんはもうトップクラスと言って良いくらいの芸能界の役者さんなの
に、こうしたオレとかが普通にやってるような小さな劇場で、それ程多くもないお客さんを相手にいかにも楽し
げに芝居をする姿勢には凄く好感を持ってしまいます・・・。