「フラガール」
コレは「Shall we ダンス?」」に始まる「ウォーターボーイズ」や「スィングガールズ」の亜流で
かなり後発だし「フラダンス」と言う素材もあまりカッコ良くなく、かと言って笑えるネタになりそう
になもないし、劇場で予告編を見た時は「まぁた同じよな映画ばっかしよく作るなぁ」くらいに思って
たのだけど、公開されたらこれがことごとく大評判で、そんなに良いのかと思って観てみたら本当に良
かった。
企画には何を扱うかと言う素材の選択も大事だけれど、その素材をどう活かしてドラマをどう絡めて
行くか……と言うテクニックが如何に作品の成否を決めるのかと言うことが良く分かる。
いや〜コレはセオリーから言うと決してそんなに良く出来たシナリオとは思わないんだけど(失礼)
友情とか家族愛とかグッと来てウルッとさせるシーンがところどころ出てきますねぇ。
それと何より途中松雪泰子さんの見せるダンスもそうだけど、ラストの舞台は本当に見事でした。
フラダンスってなんだかテキトーに腰振ってニコニコ笑ってるだけかと思ってたら、こんなに見応
えのある技があるのだとは思ってもみませんでしたからねぇ。
だけどやっぱし全体としては登場人物たちの各エピソードが今ひとつラストの大きなうねりになって
収束して行かないのが残念かな。
特にしずちゃんの素性とかは中途半端でしたね。あと一番印象に残る駅での松雪先生と蒼井優ちゃん
との手話? の会話に、テレビ放映の時に字幕スーパーを入れたのは全く野暮でしたね。
観終わって物語全体から大きな感動がうねりとなって来る、と言うよりは、要所要所に良いシーンが
あって、最後に凄い踊りを披露してくれて満足した……ってな感じかな。