スカイシアターさんの舞台には2つの流れがあって、ひとつは少年漫画系ファンタジーな世界。ともうひ とつはお茶の間4畳半的なホームドラマ。今回のは1990年が舞台で、時にファミコン用ゲームソフト「ドラ ゴンクエスト」通称ドラクエが一代ブームを巻き起こした年代である。とある共学の高等学校のパソコン研究部 の部室が舞台で、徹夜で並んで新バージョンのドラクエを買って来た男子生徒が部室のファミコンで奮闘してフ ァイブステージまで進んでいたのに他の部員2名が誤ってそのデータを消してしまう・・・そこから始まる騒動 で本当は手品研究部をやりたい顧問の先生や一人二役の不良と優男の双子の兄弟とかが絡んで大騒動・・てな展 開である。これはこれまでのスカイさんの二つの流れのどちらにも組みしない、学園物? か、でなかなか登場 人物たちのキャラもそれぞれ個性的で楽しく立っていて台本の完成度も高いと思った。ただ惜しむらくは途中体 育会系の強面の先生がそれまで出ていた女子生徒の姉妹の離婚した父親だと分かるくだりが唐突で、またそのこ とがあまり物語の本筋に有機的に結びついていると言えないこと。でもまぁ良い舞台って見てて面白いとそんな 小さなことも許せてしまうんだけどねぇ(笑)あと今までのスカイさんの芝居で少々気になっていた若手さんた ちの未熟さと言うか芝居がイマイチ完成されてないな・・と思わせる様な危うさも今回それ程感じなかった。き っと皆さん場数を踏むことで上達されているのでしょうね。ラブレター書いて振られる可哀相な男子役は特にイ ンパクトありました。