「眼下の敵」

「潜水艦モノにハズレ無し」とはいつから言われる様になったのでしょう。その中でもコレは古典中の古典です ね。戦時中によくある「海中に逃げる潜水艦VS海上から追う巡洋艦」の戦いの全てがここにあります。しかしよくまぁ ここまでいろいろ実戦の様子を調べて、潜水艦と巡洋艦と言う物の性能や戦術、想定される実戦の様子をリアルに描きなが ら、敵味方の駆け引きや双方の中で起きているであろう極限状態でのドラマを良く描いて、とってもとっても面白かった ですねぇ。しかして双方の司令官を演じていたロバート・ミッチャムとクルト・ユルゲンスと言う二人の名優の何ともカッコ 良いことよ! 双方死力を尽くして戦い抜いた後でお互いに敬意を表し、友情とまではいかないまでも生まれる戦う者同士 の心情。コレは 1957年の作品ですから、50年も前ですよ! そりゃ潜水艦も巡洋艦もミニチュア丸出しですけれど、そうした 中で工夫に工夫を重ねて作っている映画のなんと面白いことか! 確か当時のアカデミー視覚効果賞とか取ったんじゃなかった かな。そして今じゃもう現れようも無い名優たちの演技のこの味! そこはかとない佇まいと言うか、その存在感の何と心地 良いことよ。そしてもう今じゃこんな風にゲームを楽しむ様に戦争を描く映画は作れないのかもしれませんねぇ。そりゃ手 放しに面白がって楽しむことなんて出来ませんものねぇ。

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