「銀河鉄道999」
コレ映画館で観た時は中学生でした。スリーナイン号が鉄郎を残して走り去るラストで
城達也さんのナレーション 「今、万感の思いを込めて汽笛が鳴る。さらばメーテル、さらば銀河
鉄道スリーナイン、さらば少年の日よ」 と言われても少年盛りの自分としてはピンと来なかった。
リアルタイムな鉄郎世代としてはメーテルの宿命が可哀想だなぁ……みたいな感慨だったのだ
けれど、そ〜れが時を経てすっかりオッサン世代に成り果ててから観たらあ〜た! ラスト号泣
ですよ号泣(苦笑)勿論子供向けアニメなんだけど、こ〜れは大人の男が見て少年時代を思い
起こされると言うのが正しい見方なんですね。男なら誰しもいましたよねぇ少年時代に憧れたメ
ーテルの様な存在が。
このメーテルが鉄郎に当てたセリフの数々の何とも素晴らしかったことよ。初めて999号に乗っ
て出発する時 「男の子が、一生に一度の旅立ちの時が来たのね、負けること等考えてもいない、
鉄郎、貴方の旅が今、始まるのね……」 んでゴダイゴの音楽ですよ、宇宙に向かって線路の上
をボォ〜〜〜って駆け登ってくスリーナインの何と言う高揚感! そしてラストの別れ際、キスし
て 「私は貴方の、少年の頃の思い出の中だけにいる青春の幻影……」 って凄いですよ。走り去
るスリーナインの窓から鉄郎を見たキラキラ光る瞳が忘れられません。
そしてキャプテン・ハーロ
ックを始めとするキラ星のごとく魅力的なキャラクターたち。中でもトチローやガラスのクレア、機
械伯爵の情婦なんて殆ど登場シーンの次は死んでしまうのに、どれも切ないまでにキョーレツに
印象に残る。登場すると同時に流れるそれぞれのテーマ曲も良かったですねぇ〜ハーロックの
テーマとか鉄郎のお母さんの思い出とか、今もサントラ良く聴いてます。
あと 「さよなら銀河鉄道999」 と言うコレの続編もあるんだけど、アレは無かったことにしましょう。
そもそも本作のラストで冥王星に行くと言っていたメーテルは機械の身体を捨てて元の生身の人
間になってるはずで、鉄郎には 「例え私が帰って来て貴方の側にいても、貴方は私に気付かな
いでしょうね」 って言ってたじゃないか。だから切ないんじゃないか! そもそも青春の幻影が何
度も出て来てはいけませんよ。ラストの城達也さんのナレーションも 「今一度万感の思いを込め
て汽笛が鳴る」 だって呆れて苦笑しちまいましたよ。