「ゴーン・ガール」
謎解きの面白さだと思って観てるのに、失踪した奥さんが出てきて車運転しながら勝手にペラペラ種明かししちゃうので何やってんだ? とまず違和感があった。
もっと人間の心情に迫ったサスペンスかと思ってたら「氷の微笑」や「蜘蛛女」みたいなビッチ夫婦の潰し合いを高見の見物モノだったのでした。
そいや劇中でも「蜘蛛女みたいな……」って言うから笑ってしまった。
そいやフィンチャー監督はトンデモな面白さだった「セブン」以降「ゲーム」とか「ファイトクラブ」とか人の心は置き去りな展開主導でしたもんねぇ「ソーシャルネットワーク」は好きだけど。
展開的にも失踪を装ってた妻が旅先で知り合ったビッチカップルに金を取られるという偶発が許せない。こゆのって本筋と関係ない外部からの偶発的な事象が加わると途端に詰まらなくなる。飽くまでも人物の心情からくる行動で物語が展開していかないとXだ。
境地に陥った妻が挽回する為に自分に思いを寄せていた金持ちのストーカー男を利用し、レイプされたのを装って殺すに至っては、血みどろの描写といい昔の石井輝男の残酷悪女モノみたい。
そういう映画と知ってればまた楽しみ方も変わるんだけど。好きやし(笑)前述の「氷の微笑」や「蜘蛛女」はそういう内容だって解かって観てましたからね。
内容と宣伝にギャップがあるというのは最近の映画にありがちな傾向だけれど、観客が期待していた内容と実態が違うというのは「宣伝に偽りあり」じゃん?
テレビ画面に登場していた有名弁護士やキャスターが後に関わってくる展開は面白いと思ったけれど、本筋は結局ビッチ夫婦の潰し合いでどーでもよくなる。せめて共感出来ないまでも、オレは不快になってしまった。
血だらけになった妻が戻った後で二人でテレビ出演して苦笑いしてる件とか笑えましたけど、幕切れをどうするのかと思ってたら〜やっぱしグダグダの蛇足になった。
人の心なんてそっちのけの展開だったクセに最後になって「夫婦とはこういうものだ」なんて言われると白けるの通り越して腹が立ってくる。
スタッフロールが流れ始めるとさっさと観客が流れ出て行く〜読み終わったマンガ雑誌を即捨てる感じだ。決して詰まらなかったワケじゃないけど。