「ゴースト・ニューヨークの幻」

 いや〜懐かしい懐かしい……当時全然興味なかったんだけど、余りにもヒットして、余りにもロングランしているもんだから「何がそんなに?」と思って観に行ったら……やっぱり良かったですねぇ。

 死んだ恋人が霊魂になっても自分を守ってると言う非現実! 嘘八百! でも心にジンと来るんです。切なくて涙がポロポロこぼれますね。コレが映画の可能性と言うものでしょう。

 現実にはあり得ない話なのに観てる間はホントのことの様に泣いたり笑ったりして、心のマッサージになって寿命が百年延びた気がする……。
 作者が現実に感じた恋の切なさや人間の生きる悲しさみたいな物から生まれた芸術なんでしょう。だから映画って良いんでしょうね。

 特にコインが宙を飛んで、ヒロインが死んだ彼氏の霊の存在を確信する場面が泣けますね。
 霊媒のウーピー・ゴールドバーグもコレで一気にブレイクしましたね。いや〜アレは良い役でした。役者ってこう言うアタリ役に出会えるかどうかによって運命が決まるとこありますね。

 主演のデミ・ムーアとパトリック・スェイジもこの作品でブレイクしたけど、スェイジの方はその後刑事モノとか出てたけど今ひとつパッとしなくて、確か何年か前に亡くなってしまったのかな。
 デミの方はラズベリー賞を何度貰おうがお構いなしにハリウッドスター女優の道をまっしぐらに突き進みました。

 まぁ主演俳優の後の活躍はどうあれこの作品に罪はありません。封切り当時はほんの小品くらいの印象しかなく、低予算だし、あんなにヒットするなんて誰も予想だにしなかったんですよね。

「ターミネーター」とか「スタンド・バイ・ミー」とか、近年の「カメラを止めるな」もそうだけど本作の様に低予算で無名の作品が大ヒットするのを見るとなんだか夢があって良いですねぇ。

 ただ、人間が死んだ時に上から光りが当たって天国に行くか、足元の黒い影から不気味な生き物みたいのにチョロチョロ取り込まれて地獄に落ちるか、ふたつにひとつしか行き先が無いのが恐いですねぇ、中間は無いんですかねぇ、良いこともしたけど悪いこともした人とかいると思うんだけど……まるで人生ゲームの「大富豪になるか、貧乏農場に行くか…」みたいですねぇ(古いか)。
 コレ見てると自分が死んだ時「どっちだろう」とおののいちゃいますよねぇ〜。



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