「グロリア」

 ジョン・カサベテス監督が1980年に愛妻ジーナ・ローランズを主演に撮った女性版ハードボイルドのリメイク。

 後にも先にもあんなカッコ良いオバサンいなかった! それを1999年に御大シドニー・ルメット監督・主演シャロン・ストーンでリメイク! どうなるんだろうと思ったら……コレは本腰入れて作ってますよ、リメイクとしては19年と言うのは早いサイクルだけど、やっぱオリジナルを好きな人が多かったんでしょうね。

 やっぱし評価は元作の方がずっと高いのは仕方ないとしても、ルメット演出は際立ってるし、何と言ってもシャロン・ストーン! 最初聞いた時はジーナ・ローランズに対抗するなんて「貫禄が違う」って思ったものですが、元作と本作の違いはこのグロリアのキャラの違い、本作のグロリアは年齢がちょっと若い設定もあってかバリバリのだらし無いズベ姉ちゃん! ろくな教育も受けずまともな生き方は出来ないダメ姉ちゃんぶりがストーンのちょっとエロさと相まって実に良いんですよ。

 シャロン・ストーンてどうしても「氷の微笑」とか、人間離れしたエロサイボーグな印象強いけど(オレだけかな)こんな人間的にリアリティのあるストーンの芝居って他に無いんじゃないかな、その辺はやっぱルメットなんでしょうねぇ。

 オレ元作はちょっと甘すぎるラストとか、今ひとつ喰い足りないアクションとかが不満だったんだけど、本作ではその辺の不満が無くて、作品の完成度としては上なんじゃないか……とまで思いましたね。いや〜楽しみましたよ。



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