「母と暮せば」

 小津安二郎監督の「東京物語」を「東京家族」に。市川昆監督の「おとうと」を「おとうと」に疑似リメイク? な作品を発表してきた山田洋次監督が、井上ひさし原作の「父と暮らせば」をもじった作品。

「父と暮らせば」が広島の原爆で死んだ父親の幽霊と生き残った娘の話だったのに対し、本作は長崎の原爆で死んだ息子の幽霊と生き残った母親の物語になっている。

 大筋は二宮和也さん演じる息子の幽霊が吉永小百合さん演じる母親の前に現れて、生前恋人同士だった黒木華さんとの決別を軸に、母と昔の思い出を語っていくという趣向。もう〜泣かせる泣かせるぅ。

 吉永さんはまるで本当にお母さんが息子を見る様な目をしているし、二宮さんは広島弁で戦時中の若者らしくオーバー掛かった芝居を、嫌味にならないサジ加減で上手く演じていました。

 ま〜た久し振り? の加藤健一さんのまぁ相変わらず上手いことよ! 伝統ある? 山田演出を堪能しました。

 山田洋次監督初めてのファンタジーって言うけれど、全くの山田ワールドに入って行けました。

 ラストは二宮君と彼女の黒木華さんの決別に持ってくのかと思いきや、そこはやっぱし「母」なんですね、さすがに外さない、焦点がブレない脚本の持って行き方にも感動しました。


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