「里見八犬伝」

 オープニングのロックンロールなリズムからして時代劇と言うよりアップテンポなアクションを想起させて期待が膨らみ ましたねぇ〜そのまま目黒祐樹と夏木マリ の悪役親子の陰謀から始まって、娯楽活劇の始まり始まり〜♪ 

 「里美八犬伝」と言えばオレ等の世代ではかの辻村ジュサブローさんのNHK人形劇「新八犬伝」を思い出しますね。 確か毎日夕方の15分間だけの放映ですんごい長く続いてたのを欠かさず観ていたのを覚えています。だから最初に映画になると聞いた時、あの壮大な物語をたった一本の映画で出来るのか? と思ったものですが、今思えばさすがの深作欣二! 見事な伝記活劇としてドラマチックで楽しい作品に仕上がっておりました。

 ただまぁ、当時アイドル全盛だった薬師丸ひろ子嬢と真田広之のラブシーンが主題歌の流れる間ずっと延々と描写される様にゃ辟易した覚えもありますが……ま、アレはプロモーション的に仕方無かったのかな(笑)。

 八つの玉を授けられたそれぞれに宿命を持つ「犬士」たちの中でも印象に残ってるのは千葉真一を筆頭に蛇の化身? の志穂美悦子や犬士の中では殆ど台詞が無いのに強烈な印象を残した苅谷俊介さんと姿が子供の犬士のコンビとか、それぞれに宿命を背負った犬士たちが集まって協力し、巨大な敵に対峙すると言う、集団活劇みたくなって行く展開は興奮しましたねぇ。

 それとテレビシリーズでも一番憎たらしかった妖女 "船虫" 等の妖怪振りも良かったですね。CGなんて無い時代ですけど、この頃言われていた所謂SFX(だったかな?)のセンスと工夫で作り出される化け物シーンは楽しかったです。

 思えば映画館で観た深作映画ってこれが始めてだったのかな……深作作品って遺作の「バトルロワイアル」に至るまで本当に本当にメッチャ面白い作品がい〜っぱいありましたよねぇ。ヤクザシリーズや「蒲田行進曲」勿論だけど、もっと前の「柳生一族の陰謀」とか初期の「暴走パニック超特急」とかもうタマランよねぇ……。



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