「遥かなる海の伝説」

SSTプロデュース(2007年9月26日新宿サニーサイドシアター)

 前回の「幕末あいすくりん伝説」に続く伝説シリーズ第二弾!

 でも実はコレSSTさんの前身? である "夢彦プロジェクト" 時代に連続上演されていた シリーズのリメイク版なのです。
 他にも「ジャンヌ・ダルク編」や「ビリーザ・キッド編」等があって、今後それらもリメイクされ て行くらしいので楽しみです。夢彦さんの作品はいつも素舞台で5〜6人の出演者だけで 大河ドラマの様な内容を作り上げてしまうと言うのが特色でした。
 それぞれの出演者がひとりで何役も演じて行くのです。また歴史上の人物を分かりやす く、面白く脚色してくれるので勉強になります。

 今回の物語はかのアメリカ大陸を発見したコロンブスの物語。若き日にマルコ・ポーロの "東方見聞録" を読んで海に出ることに憧れ、様々な苦労を経てやっと "黄金の国ジパン グ" を目指して出航します。

 出演者は夢彦時代から変わらず出演している加藤久美さんと勝又保幸さんも入れて総 勢7人。特にこのSSTバージョンで加わった "孤高の肉体派ピン芸人" コンタキンテさん の存在は大きいですね。キャストとして数種類の登場人物を演じる他に、随所で本来?  の顔であるコメディアンとしてネタも見せてくれて得した気分です(笑)
 それに最近の公演には毎回登場している庵原納実さんのダンスも何曲かあって、芝居 の他にも見所いっぱいです。

 そしてコロンブスが苦労した航海の果てに辿り着いたのは、その時本人もそうとは知ら なかった "アメリカ大陸" この作品では若き日のコロンブスが出会い恋をする "旅芸人で 男装してシンドバッド役をしている女の子" とのロマンスも絡めて、夢を抱いた彼の冒険〜 挫折、そしてラストは純真だった少年時代への郷愁が見事に盛り上がって幕を閉じます。

 雄大なストーリーがあって、随所にお笑いやダンスもあり、最後はホロリとさせられて、 本当楽しかったです。何しろ新宿の片隅の、あんな小さな空間から、雄大な世界の海と ロマンを感じさせると言うのが演劇の魔法ですね。



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