「授業」

SSTプロデュース第2回公演(2004年9月15日新宿サニーサイドシアター)

かつて「夢彦プロジェクト」と言う団体名でいつも4〜5人のキャストで「ジャンヌ・ダルク」や「ビリー ・ザ・キッド」等の歴史上の人物や大河ドラマを描いてしまう凄い? 劇団が新宿2丁目に持ち小屋をオープンすると 同時にSSTプロデュースと名を変えた。前回凄かった「蒲田行進曲」に続く第二弾。この団体はもう夢彦時代からかれこれ 10年以上見ているのだけれど、今回はなんとウジェーヌ・イヨネスコの不条理劇をやると言うのだ! ちょっとこれ までの路線とはあまりにかけ離れた演目に戸惑いつつもどうなるのかと期待して見させて頂きました。そしたら・・ この主演の勝又保幸さんのなんと言うサイケ振り! この喋り倒しのマッドサイエンティスト然とした迫力に圧倒 されてしまった! 一体この人は勉強しすぎでおかしくなってしまったのか、そもそもおかしな人だったのか、天才と ナントカは紙一重と言うことなのか?・・話の内容は正直何が言いたいのかはサッパリ分かりません。なんせ不条理劇 ですから、分かるとか分からないじゃないのです、感じるものですから。しかしかつてのこの劇団の「子供でも楽しめる 明快なストーリー展開」路線からのなんと言う路線転換なのでしょう。実に面白かった! コレはきっともし役者が ダメなら即座に寝入ってしまうだろうと思うのだけれど、素晴らしかったですよ。衣装も舞台装置にも見たところまるで お金がかかっていなくて貧相なくらいなのに、コレをここまでの興奮のボルテージへ持って行くなんて、演出と役者さん たちに拍手ですね。オレあんましアングラって好きくないんだけど、今日は「芝居は理屈じゃねえんだよ、フィーリング で感じるものなんだから」と嘯くアングラ通たちの気持ちも分かった気がした。家に帰って風呂入って久々に歌なんか 歌っちゃったぜい(笑)



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