「ジョンQ 最後の決断」

 この映画の着眼点はと〜っても身につまされる様でリアルでした。愛する子供が重病に犯されて、助ける為には巨額のお金が掛かる。金の無い父親は意を決して、と言うより成り行き上仕方なく病院を占拠して子供の治療を要求する。

 もう〜コレは無条件に犯人(主人公)を応援したくなりますよねぇ。なんてったってこの格差社会でしょう? 金が無いと治療が受けられないって状況はその辺にゴロゴロ転がっていそう。

 自分もこの父親だったらこうするかもしれません。なぁんて、こんな映画の様に行動力ある男なんて現実にはそういないのかもしれないけれど、息子の命を救えるんだったら、10年や20年刑務所に入ることなんて何とも思わないんじゃないかな。

 だ〜からこの映画面白かったんだけど、どーもその辺の決着の付け方は甘かったと思いますね。そりゃ脳天気アメリカの話だから〜こんな風にフランク・キャプラ宜しく世論が動いて主人公を許すハッピーエンドになれば良いなとは思いますけれど、やっぱそれは娯楽作品としての体裁でしょう。

 かつて出演を所望していたダスティン・ホフマンは台本の直しを要求して受け入れられず、出演を辞退したらしいけど、もしかしたらホフマンはその辺の決着の甘さを是正したかったのかもしれませんね、何せあの方は"超"一流なんですから。

 とは言え近頃は日本でも見の周りにヒシヒシと感じる庶民の不公平、不平等な不安感を見事に爆発させた見応えのある作品でした。でもこうした問題を抱える世の父親がみんなこんな行動に出たら、マジで世の中メチャメチャになっちゃいますやねぇ。



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