「男はつらいよ・純情編」
コレ後年そんなに印象に残っている作品では無かったのだけれど、思い
返してみると寅さんシリーズ屈指の名場面が沢山あった作品なんですね。
爆笑エピソードも、タコ社長の工場を独立したいと考えるヒロシに「社長に
そのことを話して欲しい」と頼まれた寅さんは「任せておけ」と社長に話に行く
んだけど、喋ってるうちに社長から「ヒロシの独立を思いとどまらせてくれ」と頼
まれ、これも快諾(笑)。
両者は真相を知らないまま寅さんに感謝し、お祝いのドンチャン騒ぎになるのだ
けれど……コレ笑いましたねぇ。
あとヒロインの若尾文子が風呂に入っている音を聞いてる寅さんと初代おいちゃん
"森川信" のトボけた会話(笑)。
それとなにしろ本作は毎度フラれて寅さんが柴又から電車に乗るのを追いかけて
きた桜との別れ際「桜、故郷ってヤツはよう……」って言おうとしたら電車のドア
が閉まっちゃって「なぁにお兄ちゃん?」って問いかける桜を残して走ってっち
ゃう……。
アレはキョーレツに切なかったですね。
それと冒頭寅さんが旅先で出会う宮本信子と森重久弥の父娘のエピソードも実に
しみじみしていました。