つかこうへいの戯曲を上演した他の劇団の芝居をこれまで幾度となく見て来たけれど、これは良かった！ あのつか芝居独特の、芝居が芝居でなくなる瞬間、シャレがシャレでなくなる瞬間、人間の熱い情念と情念が 激しくぶつかりあう領域にまで持って行けた劇団はオレの見て来た中では今まで無かった（オレが不勉強なのか もしれないが）ライブが本当に胸に迫るボルテージまで持って行けた演出と演者に拍手！ この劇団、そもそも は遠い昔？ に知人の紹介で何度か観に行ってた「夢彦プロジェクト」と言う劇団が前身で、この夢彦プロジェ クトと言うのはビリーザ・キッドやジャンヌ・ダルク等の歴史劇を殆ど素舞台で４〜５人の役者がそれぞれ何役 もこなして描いてしまうと言うスゴイ（笑）コンセプトで、でも話が上手くまとまっていて見易く、感動もあっ て良く出来た舞台でした。ヘタな商業演劇見るよりよっぽど面白かった。それが何故か暫く公演の案内が来なく なって、忘れていた頃にひょんなことから今回招待を頂き観に行って来ました。久しぶりに見るメンバーの皆さ ん変わってなくて懐かしいやら切ないやら・・・思えば１０年以上も時が経っていた・・・オレの劇団は１０年 も経たずに皆チリジリバラバラになって元々からやってるのはオレだけになってしまったと言うのに、今も同じ メンバーで公演を打っているなんて！ スゴイと思った、つくづくオレは自分の人徳の無さにうな垂れてしまう。 そこへ来て今回の芝居は当時よりも遥かにエネルギッシュ！ スゴイ。つかこうへいの舞台を知らない人、まぁ ホントを言えば本場を観るのが一番なのだろうけど、コレを観ればつかテイストのなんたるかが十分に分かりま すよ。ただひとつ文句じゃないんだけど、今から蒲田行進曲の舞台を始めて見る人は、先に映画版を知っている 可能性が高い、映画と同じ原作を扱う他の舞台にも言えるけど、映画と同じ音楽を使うべきではないと思った。 やっぱあの音楽かかるとせっかくのライブが深作版の思い出に持って行かれちゃうもんねぇ・・まぁやりたい気 持ちはすご〜くよく分かるんだけれど（笑）しかしこの舞台はちょっとオススメです、出来れば映画版のイメー ジは極力捨ててから見た方が良いと思いますが。今週末１８日（日）までやってます。新宿サニーサイドシアタ ーってところですよ〜。