「勝手にしやがれ」

 言わずとしれたフランスのヌーベルバーグの口火を切った作品。

 それまでの映画の主人公像とは全く違うこのジャンポール・ベルモンドのチ ンピラ振り!

 そして破天荒な行動の末に呆気なく死んで終りと言う結末は、当時観た人た ちにはかなりの衝撃だったのでしょう。

 その後このパターンはアメリカ映画に飛び火し、アメリカンニューシネマと 名打った数えきれないくらいの傑作映画を生む!
 ちょっと上げただけでも「明日に向って撃て」「俺達に明日はない」「イー ジー・ライダー」「真夜中のカウボーイ」「バニシング・ポイント」「ダーティ メリー・クレイジーラリー」……。

「勝手にしやがれ」は紛れもなく映画の歴史年表には欠かせない作品ですね。
 でも今回始めて見るという方も既に本作に影響を受けて作られた作品をたく さん見てるだろうから、特に新鮮さを感じないかもしれません。

 本作と同じくゴダール監督の次の「気狂いピエロ」(現在禁止用語なので 題名は変わってるらしい)を見るとジャン・リュック・ゴダールの天才を凄 く感じるけれど、ゴダールの他の作品は概して退屈で訳が分からず、それを 分かった様なフリして語りたがる評論家気取りが蔓延してましたね。

 本作は歴史的な意味合いからも一見しておく価値はあると思います。

 だが実は映画の歴史を変えたこの作品、元ネタは日本映画にヒントを得てい たらしいんです。  その名も「狂った果実」現東京都知事原作で裕次郎主演のかの日活映画!  オレは後から知って観たんだけど、これ見ると成る程なぁ……と実感出来 ます。実は本当に凄いのは日本の石原都知事と中平康監督だったのでした。



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