「風と共に去りぬ」
今更何をという向きもあるでしょうけれど、やっぱしちょっと喋りたいので書いちゃいますねぇ。
この映画が作られたのって1939年ですよ! 太平洋戦争が始まったのが1941年、その2年も前にこんなモノが作られていたなんて!
戦時中に中国だか満州だかで敵国からの押収品の中にこのフィルムがあって、それを観た当時の軍人が「アメリカという国の凄さに驚いた」とテレビで言っていたのを覚えています。
日本の映画の歴史上ベストワンはオレ勝手に「七人の侍」だって言ってるんですけど、アメリカ映画のそれはコレだと思いますねぇ。
メイキングを見るとまた当時のハリウッドの映像技術に驚かされます。ええっ! と驚かされる場面がブルーバックの合成画面だったり。
そしてコレこそが007シリーズと並ぶ、監督や俳優の物ではない「プロデューサーの映画」ですね。
当時世紀のベストセラーと言われた巨大なる原作小説を、映画化するに当たって「監督は誰がやるのか」「配役はどうなるのか」と世界的な注目を浴びる中で、映画化権を買ったプロデューサーの采配に全てが掛かっていた。
それでも完成した作品は決して案パイで大味な出来ではなく、南北戦争を背景に時代の荒波に翻弄されながらも力強く生き抜くヒロインの姿が、等身大の人間として見事に描き切られている。
こ〜のラスト30分のクラーク・ゲーブル VS ビビアン・リーの喧嘩の壮絶なことよ!
つかみ合ったり殴ったりする訳ではない、双方の人生が激烈にぶつかる凄味には、単に痴話喧嘩とか夫婦喧嘩と言い捨て切れない気高ささえ感じてしまう。
監督も出演者もほぼ全ての人たち? がこの世にいなくなっているのに、こうして輝き続け、今も生きる人々を感動させ、生きる希望を抱かせているなんて。
あ〜映画って本当にいい物ですねぇ。と言ってみたくなりますやねぇ(笑)。