「家族ゲーム」
森田芳光監督がまだ独自の感性でのびのびと撮っていた頃の代表作の一本。
いや〜昨今本作の様なまさに「衝撃の瑞々しさ」な驚きにゃとんと出会うことが無く
なりましたね。
80年代当時、ATGやディレクターズ・カンパニーといった独立系の映画を支援す
るプロダクションや協会? みたいのが盛んにあって、そこから大林宣彦や長谷川和彦、
柳町光男といったキラ星の様な監督たちが活躍していました。
軽々しく「新感覚ムービーです!」なんて宣伝文句の映画に限ってちっとも
面白くなかったり、結局どこかで見たモノの模倣だったりしますけど、こ〜の森田作品
を御覧なさいよ。
この "間" の取り方! 深読みしたくなる何処かユーモラスで不思議すぎる雰囲気!
何故か迫ってくる独特のセンチメンタリズム!
そ〜して忘れてならない松田優作っ! 当時は全くジーパン刑事や「探偵物語」なイン
パクトでしたので、こ〜の惚けた映画の惚けた演技にゃ驚きましたわねぇ。
って言うかやっぱしこの人尋常じゃないんですよ。こ〜の全く新感覚の監督の登場に
是非一緒にやってみたいと思ったんじゃないですかね、そのことで自分も役者として
新たな一面を開拓してる訳ですから、やっぱ凄いでしょ。
主人公の家族の息子の為に雇われた家庭教師なんだけど、何故か東京湾を小船に乗って
やってきて(笑)んで確か聖書を胸に抱えてるんじゃなかったかな。
そしてラストは本当に痛快で涙がでましたねぇ、でもコレ初めてテレビで放映した時は
あえて「テレビへの挑戦」としてあの食卓をメチャクチャにする部分を全てカットしてし
まったんですよ!
そんなことをやってしまうところも新しくってカッコ良かったですね。