「飢餓海峡」

 コレは見応えのある刑事モノで凄い映画でしたね。

 主演の三国連太郎は勿論、刑事役で老獪な魅力を見せる伴淳三郎さんは内田吐夢監督から一切のギャグを禁止され! 厳しい演技指導にウンザリしていたとか。んでもこ〜の初老の刑事っぷりは一世一代の当たり役ではありませんかねぇ。

 それと左幸子さんも。役者たちは内田監督の元でそれぞれキョーレツな印象を残しましたね。

 今は無き青函連絡船が遭難し、乗客たちの遺体が上がるんだけれど、それが乗客名簿の数と照らし合せてみると「一人多い!」というのが事件の発端。
 果たして増えた一人は誰なのか? そして何故? という謎を徹底して追う伴淳刑事! 次第に露わになる時代を反映した一つの事件!

 画面の粒子を粗く見せる為にわざわざ16ミリフィルムで撮影し、それを35ミリにボアアップして見せるという監督のこだわり振りを見よ! そうまでする執念で撮った映画だからこそ観客を魅了して止まない名作になったんでしょうねえ。



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